▼亡くなったダン・ヴー・ヒエップ会長の後は、新会長に、ドー・スアン・ジエン(Do Xuan Dien)さんという人がなりました。やはり、枯れ葉剤の被害者です。チュオンソン山脈で枯れ葉剤を浴びました。余り健康はよくありません。
▼現在枯れ葉剤の被害者の数は、300万人と思ってください。来年、詳しく検査します。アメリカが1961年から撒き始めてから、たくさんの人が死んでいきました。そして、戦後は新しい被害者も出てきました。枯れ葉剤被害者は増えています。
▼ベトナムは経済優先で進んでいるので、枯れ葉剤の被害者をなかなか確定できないでいます。被害者の病気は、不治の病です。
▼赤十字、労働新聞、青年新聞などのメディアの他、子どもを守る団体もスポンサーになっています。各種団体が一緒になって、行動していますが、何も貰えない被害者もいます。
そこで、いま、各種団体を統一して、一つの計画を立ち上げたいと考えています。(註1)
▼戦争中行方不明になったアメリカ軍の遺骨を探したのは、ベトナム人の広い心です。アメリカが応えないために、2004年にアメリカで裁判を起こしました。アメリカの裁判所は、ベトナムの訴えを棄却していますが、私たちは訴え続けています。
▼アメリカの裁判所は、却下の理由をいろいろ挙げていますが、全部間違っています。
例えば、ベトナムで撒いた枯れ葉剤の毒性は少ない・・と言うものです。あれは、葉を枯らすだけのもので、人体への影響は無い・・と言っています。しかし、現実をみていません。
▼アメリカでは、国家、詰まり政府が裁判所に圧力をかけたと思います。理由は、ベトナムが勝ったら、アメリカは賠償しなくてはならないという考えです。国際法では、枯れ葉剤、化学兵器を使用してはならないという規定があります。
▼二つ目の理由は、この裁判で、ベトナムが勝つと、アメリカ政府は人権に違反している人権の国になるからです。アメリカは、ベトナムに人権を守れと言ってきましたが、人権に違反しているのはアメリカです。
▼2008年10月にアメリカで会議があります。私も、文書で参加しようと思っています。この発言のタイトルは、「枯れ葉剤とアメリカの心」にしようと決めています。結論は、アメリカで心ある人は誰ですか? です。
以上が、ニャン博士の発言の概要です。
一義的にも国際的にも、アメリカが誠意ある姿勢を見せることが肝要だと思う。そういう国際環境を作る国際的な連帯が必要である。
その一方で、国内的には、ニャン副会長が話されたように、国内での被害者支援の意識向上をはかることが大事だ。それは、昔の貧乏を分かち合う共産主義の清い精神に立ち返ることであり、ひいては苦しむ人たちと同苦するより高い精神運動を遍満させることである。
その点で、ニャン博士の発言と関連して、私たちの通訳を務めてくれたマイ・アインさんが、名古姉妹に話した内容(註1)は、一市民としての意識として大事であるので、ここに紹介しておきたい。
「今まで、貧乏な人がいることや枯れ葉剤被害者は知っていた。でも今回、実際家庭訪問をして、自分の目で見て、現実がわかった。彼らは手当てを貰っていても僅か。例え私たちが一ヶ月生活できるお金を彼らに渡しても、貧乏の悪循環は崩れない。こうした状況があっても、今もなお続くのは私たちの責任でもある。私たちも自分に何が出来るか考えていかなければならない。」(マイ・アインさん)
22歳のタイン・ニエン(ベトナム語=若者)のこの考えには、重なるところが多くあるのではないか。
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