2007-09-13

支援隊ツアー 言いたい放題2

【人民の勝利】と、ベトナム人はよく口にする。ベトナムの交通事情は大分良くなった。公共輸送機関としてのバスも機能し始めた。料金もまだ安い。だが、時間はかかる。

だから、いきおい、バイクに頼る。バイクを運転すれば、スイスイいける・・と皆が思い始めて、10年近く。バイクはとうに溢れ始めた。

最初は、警察もヘルメット無着用の者から罰金をとっていた。が、そんなことをしていたら、次から次へとヘルメット無しの人がくる。「俺から取って、あいつから取らないのはなぜか?」 斯くして、市内はヘルメット無しが認められた。「人民の勝利」なのである。だが、これは果たして本当に人民の勝利なのだろうか?

私は、上の写真を「ビッグ・マック」と呼ぶ。便利だ。大量輸送ができる。でも、みていて冷や冷やする。気が気でない。でも、本当に冷や冷やして欲しいのは、あなた達なのだ、ということを忘れないで頂きたい。

ハノイの建築で、鼻歌交じりで階を上に積み上げて行くのと同じで、この5人乗りは将棋の駒を並べただけ。ドミノは簡単に起きる。ビッグマックのように安い、命の値段にならないことを祈りたい。

【臨機応変】バスが途中で止まるたびに、ツアーをオーガナイズしている私は、ドキっとする。そして、なぜか、ベトナムの人は、止まった理由を説明せずに大体の人が隠す。この日、8月25日、ニンビン省で、外務省のタインさんが、「ちょっと・・」と言って車を降りたので、私も飛び出した。バスが止まった理由は、電線が垂れ下がっていたからだった。
正直言って、これは外務省役人の仕事ではない。そもそもこの車幅の車がここにはいってくることはないのである。
それにしても、よく、竹竿が近くの民家にあったのものだと感心する。    
車が止まったと言えば、昨年こんなことがあった。「次の車椅子贈呈の家へ・・・」と言って在宅訪問を重ねているときに、車がタイビン市の交差点近くで止まった。バスを下りた地元の枯れ葉剤協会の人の表情が全員、曇ってきた。
そのやりとりを聞いていた若い女性通訳の訳し方がぶっ飛んでいた。「これから訪問する人は死んでました」
「おいおい、一体どういうこっちゃい」            
つまり、車椅子の贈呈を受ける方の死亡通知が、協会に来てなかったために、既に亡くなっているのをしらなかった、ということなのだ。1軒こういうことがあると、「次は大丈夫か」となる。次の方が生きていると分かると「お~」と感動する。       
ベトナムは、通信も交通も、インフラの整備がまだ遅れているために、”電話やFAXで一斉連絡”などという離れ業は田舎ではできないのだ。「日本から贈呈にきますよ」という連絡が行った後亡くなっても、協会の方は「まだ生きている」と思っている。     
だから、ベトナムの田舎では色々なことが途中で発生する度に、今年も新鮮な驚きを感じた。Posted by Picasa

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