(上の写真は、2006年に水俣で開かれた国際会議「水俣50年の教訓はいかされたか」に出席されたトアン先生(中央アオザイの方)。写真は先生のご提供によるものです)
母の言いつけに反して、私は、1945年9月に、フエで軍隊に入隊しました。私には怖い物無しでした。苦難も餓えも。私の級友と同じように、共産主義も革命のことも、ほとんど知識がありませんでした。独立と自由というホーチミンさんの言葉しか考えていませんでした。
正面に黄色の星がついた帽子をかぶるのが誇りでした。私は、チュン姉妹のように、歴史を綴っていると思っていました。私の部隊で、銃の撃ち方、救急処置の方法をならって、戦争の備えをしました。その時、歩兵大隊が、フランスと戦うために南部へ出発しました。
私の部隊の二人の友人が、男性の友人と同じように、私が動員されて南部に行くことになるので心配しました。私たちはもうこれ以上待てなくなった時に、「なぜ私たちは南部の戦線に行かないの?弟が入っている大隊を、私たちで見つける。」と私は友達に言いました。着替えのズボン、歯ブラシと、軍の食堂で食事が無料になり、列車も無料で乗れる軍のカードだけを持って、部隊を飛び出して駅に向かったのです。自分が英雄になったつもりでした。
ところが、列車の中で、弟の部隊はサイゴンではなくて、フエから200キロ南のクアンガイに駐屯していることが分かりました。私たちはそこで下車し、弟の部隊の居場所を求めて町中を訪ね歩きました。私は、弟の友人の家に駆け込みました。そこで私たちがしてきた行動を告げると、彼は私を叱りとばしたのです。
正面に黄色の星がついた帽子をかぶるのが誇りでした。私は、チュン姉妹のように、歴史を綴っていると思っていました。私の部隊で、銃の撃ち方、救急処置の方法をならって、戦争の備えをしました。その時、歩兵大隊が、フランスと戦うために南部へ出発しました。
私の部隊の二人の友人が、男性の友人と同じように、私が動員されて南部に行くことになるので心配しました。私たちはもうこれ以上待てなくなった時に、「なぜ私たちは南部の戦線に行かないの?弟が入っている大隊を、私たちで見つける。」と私は友達に言いました。着替えのズボン、歯ブラシと、軍の食堂で食事が無料になり、列車も無料で乗れる軍のカードだけを持って、部隊を飛び出して駅に向かったのです。自分が英雄になったつもりでした。
ところが、列車の中で、弟の部隊はサイゴンではなくて、フエから200キロ南のクアンガイに駐屯していることが分かりました。私たちはそこで下車し、弟の部隊の居場所を求めて町中を訪ね歩きました。私は、弟の友人の家に駆け込みました。そこで私たちがしてきた行動を告げると、彼は私を叱りとばしたのです。
「あなたは気違いか? ここにいて、わが大隊について聞き回るなら、人はあなた達をスパイと思うぞ。いますぐにでも、友人を家に連れて帰りなさい」
私たちはがっかりしました。後になって、私はどんなにうぶだったかに気づきました。
1946年の初めごろ、「ベトナムはフランス同盟下で自由の国であり、われわれは平和を希望する」と、フランスは表明しました。しかし、1946年11月23日、フランスは、ハイフォンで戦火の口火を切りました。12月に、ホーチミン主席は、全国民に向けて決起をよびかけました。そして、ホーチミン政府は、ヴィエト・バクのジャングルに引っ込みました。フランス植民地軍への戦争は、正式に始まったのです。そして、私は革命軍に参加しました。
逮 捕
私たちはがっかりしました。後になって、私はどんなにうぶだったかに気づきました。
1946年の初めごろ、「ベトナムはフランス同盟下で自由の国であり、われわれは平和を希望する」と、フランスは表明しました。しかし、1946年11月23日、フランスは、ハイフォンで戦火の口火を切りました。12月に、ホーチミン主席は、全国民に向けて決起をよびかけました。そして、ホーチミン政府は、ヴィエト・バクのジャングルに引っ込みました。フランス植民地軍への戦争は、正式に始まったのです。そして、私は革命軍に参加しました。
逮 捕
それから2年後、1947年―48年にかけて、私は友人と地下活動に参加しました。この友人たちもまた革命に心酔していました。夜間になると、私はしのび出て、ベトミン(ベトナム独立同盟会)支持とフランスへの反対を訴えるパンフレットを配り歩きました。ある晩、私たちは、手りゅう弾をフランス軍基地に投げ込み、町には多くのベトミン兵がいるのだということを知らせようとしました。時々、私は木によじ登って、赤旗を掲げたり、山の中の革命基地から町中の連絡先まで手紙を運んだりしました。
勇気さえあれば、人は何でも実現することが出来ると思っていました。尊敬を集めている家族の子どもがどうしてそのようなことができるのか・・と、誰も私のことを疑っていませんでした。(つづく)
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