蓮の花奨学生からの便り（４）

お便りの４回目は、フート省のドー・ティ・ヒエンさんからです。

リンカーン瑞枝さま

宮尾　和宏　様　そして　皆様　へ

まず初めに、会の皆様とご家族にご健康と幸せが出来ますようにお祈りしています。

私はDO THI HIENで、工業食品高等、会計専修の専門学校三年生です。

2010年8月に『蓮の花奨学金』を頂きました。皆様にいつも感謝の気持ちでいっぱいです。特に富田英司様から、直接　奨学金とメッセージを渡して頂きました。楽しい生活、勤勉、前向きの姿勢、平和等のメッセージがこめられたものでした。

ヒエンさんからのお手紙

実は、前回に皆様にお会いしたのが、私の初めての外国人との出会いでした。とても恥ずかしく、おとなしく皆様の行動を見ることしか出来ませんでした。皆様と話した時も凄く緊張していて、自分の話がなってなかった事を思い出しました。今思い出したら、吹き出してしまいそうです。

皆様から沢山知らないことを聞けるのに、そのチャンスがなくなってしまって、とても残念に思います。

私たちと同じぐらい日本の学生が、どんな生活をしているのか知りたかったです。日本での沖縄戦争がありましたので、戦争で影響された被害者の子供達は楽しく生活が出来ているのか、学校へ行けるのか、私の生活と同じなのか、沢山質問したいと思いました。

父は国を守るために戦争に出ましたが、残念ながら枯れ葉剤の被害にかかってしまいました。父は、毎日頭痛と、骨間の痛みでとても辛い生活を送っています。特に冬の寒さは一番苦しいようです。

現在父は年を取りましたが、毎日まだまだ仕事をして、私の将来のために頑張ってくれています。母が亡くなった時、私は15歳でした。それから、父はもっと大変になりました。元気ではない父は、母の分まで頑張ってきました。とっても大変なのに、文句一つも言いませんでした。それに、いつも私の勉強のことを応援してくれました。困った時には、周りの皆さんが助けてくださったので感謝しています。

今回、皆様の優しさを頂くことが出来てお礼を申し上げます。頂いた奨学金は学費の一部として大変助かりました。父の悩みを減らすことが出来ました。皆様の暖かい愛情のおかげで、私は今回の成績が良くなり、平均点数は7.5でした。

今回受けた6科目の中にはサービスカウント（会計）：9.5；　企業会計：8.8；　行政会計：6.1；　経営活動分析：6.4；　財政営業管理：7.7；　管理の会計：5.9の点数でした。

今最後の学年で勉強していますが、卒業したら、続いて大学で学びたいと思います。自分の知識を高めるために、もうちょっと頑張ってみたいと思います。

卒業して仕事を見つけたら、自分の給料の中から一部を、私と同じように困っている人、枯れ葉剤被害の子供たちを助けたいと考えています。

皆様、困っている人を助けてあげて下さい。お願いします。私も皆様と同じようなことをしたいです。

時間も遅くなりましたので、ここに終わらせてください。

最後に会の皆様のご健康と会のメンバーが多くなり、会の力が強くなりますようにお祈りしています。そして、ますます沢山の人々を助けることが出来ますように。

DO　THI　HIEN

戦いのない人生なんてありません。まずは、成績も底上げしたヒエンさんに拍手喝采です。このお手紙を読んで、あなたに拍手しない人はいないでしょう。立派です。

かのトルストイも、飢饉などで苦しむ人たちを、必死の思いで救援に明け暮れた時があります。そこに、利行（他人のために行動する）と同事（どうじ：人々の中に入って一緒に働くこと）の重要な意義が含まれています。　その点、おいらぁ、その何百万分の一も有名ではありませんが、トルストイの気持ちに負けない物があります。

ついでに付言すれば、 大トルストイの約１００年前の日記。「現在を大切に生きれば、それだけ、永遠の人生、不動の人生を生きることができる」と。
「今」を負けないでください。どんな壁にもめげず、立ち上がれる心の強さをお互い持てるようにするための支援です。相手に“負けじ魂”が生まれて立ち上がってくれた時に、私たちもまた一つ勝利したことになるのではないでしょうか。

北村　元　愛のベトナムさわやか支援隊since 1990

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