スーザンV. ベレスフォードさん(下)は、フォード財団前理事長であり、エージェント・オレンジ剤に関する米越対話グループの発起人である。このコラムは、非営利、無党派の教育組織であるアメリカフォラームを通して提供された。
我々は、エージェント・オレンジの悪夢を止められる
ヴェトナムでの戦争は35年以上前終わった。しかし、18歳のチン・ルックは、依然としてアメリカ軍が使った枯れ葉剤のエージェント・オレンジの影響を受けたままだ。精神遅滞、激しい引きつけ、筋肉退化をもって生まれて以来、完全な障害者として、彼は59歳の母と一緒にヴェトナムの田舎に住んでいる。母は、戦争中にジャングルでベトナム軍隊と行動をともにし、ボランティアの賄い人として働いたが、何回か枯れ葉剤を撒かれたことは記憶から消えない。彼女の皮膚は、塩素ざ瘡によって、できものだらけである。
エージェント・オレンジは、太平洋の両側のベトナムとアメリカの参戦兵士への危害は言うに及ばず、ベトナムでは、罪のない新生児や大人にまで新しい危害を引き起こしている。良い知らせは、手頃な費用で、われわれはこの悪夢を食い止めることができるということだ。
そうすることが、人道的な世話というアメリカの最高の伝統であり、両国間の関係に刺している残りの影への取り組みに役立つことになろう。もう一つの伝統ある価値観としての官民共同から生まれた行動計画は、現在、着手している。
1975年の戦争集結までに、250万人のアメリカ軍兵士が、戦場で戦った。その戦場で多くの兵士が、ダイオキシンというエージェント・オレンジの有毒汚染物質に曝露した。彼らは帰還すると同、多くの兵士が、普通ではない疾病、つまり、塩素ざ瘡、各種がん、糖尿病と先天性欠損症にかかったことを報告しはじめた。
長期にわたる論争、主張、訴訟と研究が繰り返され、アメリカ復員軍人省は、やっとベトナムで従軍した兵士、特定の艦船で服務したアメリカ軍帰還兵と、12の病状のいずれかにかかっている帰還兵に対して、エージェント・オレンジ関連の手当を支給している。エージェント・オレンジ関連の疾病に関してどのくらい支払われているかの正確な数字は入手できないが、アメリカ政府は、100万人を越えるベトナム退役軍人への障害手当で、昨年だけでも、153億ドルを支出しているのだ。そのうちの多くが、除草剤に曝露した退役軍人でえある。議論は、受給対象の疾病を増やすべきだという意見をめぐって議論が続いている。
障害に関する国家機関の研究によると、これらベトナム退役軍人のために、もっと対策を講じるべきだとしている。例えば、退役軍人とその家族に、世話人の提供や、健康管理者や障害関連の団体への医療教育、そして、提供、第2世代や第3世代の子どもへの支援の拡大、腰の座った新たな研究などが必要としている。
しかし、ベトナムについては
チン・ルックのお母さんのように、何百万というベトナム人がエージェント・オレンジに曝露し、中には、複数回曝露した人も多い。そして、チン・ルックのように清国な先天性欠損症を持つおよそ15万の子どもを含む300万の人たちが、健康障害をかかえていると推定される。旧アメリカ軍の軍事施設周辺ののダイオキシン「重度汚染地区」は、引き続き人々を汚染し続けている。マサチューセッツ州規模の大きさの土地に撒布され、依然として、枯れ葉作戦による土壌の質的退化を余儀なくされたままだ。ヴェトナムはその被害を受けた退役兵士らにわずかな助成金しか与えておらず、また病院とクリニックを開いてはいるが、その資金は要求を満たしていない。
2007年に、ベトナムが抱えるこの問題に取り組むために、私は二国間の優秀な科学者と市民による官民協力のエージェント・オレンジ米越対話グループを招集した。フォード財団とアスペン研究所の協力、対話グループに何が出来るかを調査して、パイロットプロジェクトを綿密に調査し、各方面と協議し、議会で証言した。
2010年6月に、対話グループはヴェトナム支援のための行動計画を発表した。ダイオキシンに汚染された土壌の浄化作戦、損害を受けた生態系の修復、そして、障害をもった人々への支援の拡充などである。この行動計画は、障害者への支援、ダナン、フーカット、ビエンホア、他の最も危険な汚染地区の浄化を最優先にすることを目指す。アメリカとベトナムの当局は、パイロットプロジェクト拡大のための青写真として、この計画を歓迎した。
政府、財団、個人、ベトナムで展開するアメリカ企業から必要とされる資金を確保する後期である。これは、戦争終結35周年、国交樹立15周年、ハノイ市創設1000周年にあたる幸先よい年だからだ。
幅広い官民関係ができれば、人道精神を生かして、ヴェトナムで苦しんでいる人々に応えることができる。これは、旧敵と福祉の実現のために奮闘し、世界中で援助をしている男性と女性のためにも、寛大さを示すアメリカの伝統にのっとるものだ。そして、それは傷を癒やして、両国に覆いかぶさる戦争遺産に応えることになろう。
さあ、このやり残した仕事の面倒を見るために、すぐに行動を起こそう。
+++
この米越対話グループについてのベトナム枯れ葉剤被害者協会の反応は、すでに昨年このブログに載せてありますが、対話の発起人であるベレスフォードさんのお考えについては初めてのために、掲載しました。
北村 元 愛のベトナムさわやか支援隊since1990
ブログの無断転載禁止 直接ご連絡ください。
0 件のコメント:
コメントを投稿