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そして、その瞬間に立ち会えたことのうれしさは、また格別である。
こんなに美しい笑顔をもっていたのか、
いやそうじゃない、
みんなこういう笑顔を本来持っているんだ、と再発見した。
彼女の感激の
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聞こえた?
はい・・・・・
良かったね。
はい。
この簡単な会話が出来ることの偉大さを、
普通の皆さんに分かって頂けるだろうか?
生命が輝いた時の笑顔ほど美しいものはない。
ハンディをものともせずに、突き進んで頂きたい。
あなた以外に、誰があなたの人生を生きることができるだろうか。
今どきの日本なら、これは、おカネの印だろうか。
ここタイビンでは、
「ついに聞こえたんだ」というアピールなのだ。
苦しんだがゆえに、このありがたさを分かってもらえるはずだ。
この青年の表情からは、「よし、遅れた分を取り戻そう」というガッツが読みとれる。
明日からは、さらに前へ前へ進んで頂きたい。
昨日よりも今日。今日よりも明日。
そのための補聴器である。補聴器は、その推力なのだ。
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喜んだ視線の先に、彼女の両親がいた。
素直に喜んでくれた
あなたとご両親、
精一杯の正装で来てくれたあなたとご両親に、
私は乾杯したい気持ちになった。
あなたの笑顔は、私たちの喜びだ。
同時に、寄付をして下さった方の歓喜であるはずだ。
会話が聞こえることは、「明日」が確実にあることだ。
ハンディを克服して、笑顔の毎日であって頂きたい。
もっともっと輝けるあなたに、
さあ、今日から、明日へ明日へと進もうではないか。
今回も、帰国してから、私は自分の記憶に輪郭を付けてきました。輪郭をつけるとは、書くことです。ツアーの責任者の一人として、今日はどうしよう、何をどうすればいいか、と常に神経を張りめぐらせる毎日です。大事なところでメモを取り忘れたり、写真のチャンスを逸することも多々あります。衣類を含めて寄付をして下さった方のためにも、記憶をたぐり寄せて書くことは仕事です。何10人と会う時、メモは欠かせません。メモをとるということは、記憶を忘却の彼方に押しやることを防ぐだけではありません。相手の話したことを聞き逃すまいとする真摯な姿勢の表れです。メモで話は広がります。これが相手を動かすのです。
物を差し上げたり、金銭を置いてくるほど楽なことはありません。皆様から頂いたものに付加価値をつけてゆくには、何はさておき絶対に対話が不可欠です。医者と患者の関係でもない、教師と生徒の関係でもない、役人と庶民の関係でもない、しかし、人間と人間の、どこかに慈愛溢れる精神外科医的、いや菩薩的要素が、この支援には強く求められていると感じます。相手の苦しんでいるところをいかにして探り出すか。他者のどこに痛みを感じるか。われら支援隊の愛をこめた熱血行動を、この種々の行動と文章の中から少しでも感じ取っていただければ、大変に幸いです。
最後にもういちど、今季の支援隊への暖かいエールに感謝申し上げます。ありがとうございました。すばらしい現場に立ち会わせて頂いたことに、心より感謝申し上げるとともに、来季もまた、引き続きよろしくお願い申し上げる次第です。(おわり) (文責:北村 元)
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