ジョン・マケイン上院議員は4月にベトナム訪問したが、訪越中に、「長い戦争の後国交正常化を果たしたが、米越は次の段階に進む必要がある」と語った。
マケイン上院議員の訪越は、昨年11月に大統領選でオバマ氏に破れてから初めてのもの。マケイン上院議員(72)は、ヴェトナムの外交アカデミーの学生を前に、「両国関係が現代化すれば、アジアと世界におけるヴェトナムの地位もそれにつれて向上する。2カ国は経済と軍事でより緊密な結びつきを持つべきだ。共産主義国家ヴェトナム(1党国家体制)には政治的自由へ取り組む中で、“歴史的な大変革”を遂げることにより、経済的、外交的な成果を広げる機会をもつ」と、呼び掛けた。
マケイン上院議員は、ベトナム戦争中の1967年に、海軍のパイロットしてハノイ上空で撃墜された5年半にわたりPOWとして抑留された経験を持つ。両国は、ヴェトナム戦争終結から20年を経た1995年に、国交を正常化した。
下の写真は、1967年10月26日に、タイの基地から飛来したマケイン操縦士が、ハノイ上空で撃墜され、チュク・バック湖で、住民に囲まれる。
同上院議員は、「両国関係は次の段階に進む時だ。両国関係の一層の強化は、過去20年のヴェトナムの先例のない経済改革と両国関係の驚異的な発展という延長線上だけでなされてはならない。むしろ、西側世界からアジアへの経済力が歴史的にシフトしているという理由からもなされるべきだ」と、語った。
マケイン上院議員は、アリゾナ州選出の共和党議員で、上院軍事委員会の理事を務める。マケイン議員は、戦後何回もヴェトナムを訪問を果たしている。
彼は、この他、世界的な不景気の中、経済的孤立主義に回帰しようという、アジアと米国で起きている声に警告を与えた。
「我々は、それらの声に心を留めてはならない。我々は後退してはならない。たとえば、自由貿易の利益を他の東南アジア諸国に拡大しつつ、米越間の貿易を増加させるという新しい道を模索することによって、前進しなければならない。両国は2国間の投資条約を結ぶべきだ」と、彼が言った。
マッケイン上院議員は、また、次のように話した。
「社会を一層開かれたものにするなど、反グローバル化の勢力に抵抗することはベトナムにも必要なことだ。それが、すでに大きな経済力をほこるベトナムを一層繁栄させることになる。現在ヴェトナムには、政治的、社会的に前進を求めていくことにより、その成果を拡大する機会があると、私は信じる。
これには、より大きな表現の自由、政治活動の範囲の拡大、平和裏に自分の意見を述べて収監されている者の釈放、人権の改善などが含まれる。この変化...歴史的な大きな震度である。
貴国は、他国の模範になりうる。そうなれば、貴国は、時間とともに、アメリカ合衆国との関係を相互の経済と安全保障の利益という変動する砂の中に、ではなく、価値観を共有する岩盤の中に錨を固定していくことができるようになるだろう。
安全保障と経済成長には緊密な関係がある」
ベトナム戦争では58,000人以上のアメリカ兵と300万人を越えるベトナム人の死者を出した。しかし、2003年には、ほぼ30年ぶりにアメリカの軍艦がベトナムに寄港している。
マケイン上院議員は、ベトナム軍の将校がアメリカの防御大学に通って欲しいと呼び掛け、テロリストに関する情報交換でも一層の協力を呼び掛けた。
「両国関係はめざましく進展したが、戦争中にアメリカ軍が枯れ葉剤を使用した問題は、両国間で懸案として残ったままだ」と、マケイン議員は一定の認識を示した。
マッケイン上院議員らは、グエン・タン・ズン首相らベトナム当局との会談後、北京に向かった。
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