250万~480万のベトナム人が、エージェント・オレンジ剤に曝露した。そして、ベトナムの国土面積のおよそ12%に相当する14億ヘクタールの土地と森林にエージェント・オレンジが撒布された。
彼女は、この化学物質に曝露した人々は、ガン、肝障害、肺及び心臓疾患、生殖障害、皮膚及び神経障害を患っていると書いた。これら曝露した人たちの子供や孫は、重度の身体的奇形、精神と身体の障害、各種疾病にかかり、短命に終わっている。
一方、ヴェトナム南部の大部分の森とジャングルは、荒廃して、裸地化された。土地は元に戻らないかも知れない。仮に戻るとしても、再生するのに50年~200年かかる。
ヴェトナムで従軍したアメリカ兵は、同じような疾病を経験してきた。彼らが政府にエージェント・オレンジを製造しアメリカ政府に販売したダウケミカルとモンサントを含む化学会社を訴えたあと、提訴は示談で、1億8000万米ドルで和解した。この和解で数千ドルを受け取った原告はほとんどいなかった。その後、アメリカ旧軍人は、エージェント・オレンジ暴露の補償の立法上の勝利を得た。アメリカ旧軍人は、年間15億2000万米ドルの給付金を受けている。
しかし、ベトナムのエージェント・オレンジ被害者が化学会社を相手に連邦裁判所に訴えを起こした時に、地方裁判所のジャック・ウェインスタイン判事は、エージェント・オレンジは、1907年のハーグ議定書によって規定された化学兵器の対象にはなっていないと結論付け、訴訟を却下した。
先月パリで開かれた国際人による良心の裁判で、化学者のピエール・ヴェルメウリン博士は、ヴェトナムの汚染された土壌を回復するのに、1ヘクタールに10億米ドルが必要だと見積もられると証言した。被害者の多くは24時間の世話を必要としているが、被害者の面倒を見るコストは巨大な額になる。
1973年に、ニクソン大統領は、ヴェトナムの復興支援に32億5000万米ドルの拠出を、“前提条件なし”で約束した。しかし、その援助が与えられることは一度もなかった。
同教授によると、ヴェトナムには友好村が11箇所しかない。しかし、それはそのような村がエージェント・オレンジの子どもの被害者の面倒をみるには1,000施設を必要とする。
北村註1:2006年の法律家団体NLG(ナショナルロイヤーズギルド)の総会で、ある東京の弁護士がスピーチし、「アメリカに9条があれば、戦争に費やした金・人員をカトリーナ(サイクロン)の被害者に向けられる」と述べると、大きな拍手が起こった。憲法9条のアピールをしてきました。
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