2011-07-13

枯れ葉剤撒布50周年

ベトナム戦争で、アメリカ軍がベトナム領土に最強の毒をもつエージェント・オレンジを撒布して今年はちょうど50年。刺々(とげとげ)しさが目立った米越の関係も、枯れ葉剤除去という分野では、徐々に改善されてきていると言える。もちろん、まだベトナム側の満足の行く状態ではないが、間違いなく後退はしてない。

米越の対話も、最初はアメリカが断るところから始まった。しかし、2000年から対話が継続しているということは、それ自体とても大きい意味があるのではないだろうか。
そして、2005年から、お互いに一つの事業を実施するところにまで至った。最初は、研究として、枯れ葉剤の被害のサンプルとして、2本を採取して研究を始めただけだったが、最近は環境問題を処理しょうとする項目も入っている。なにしろ、ベトナムで試験管などに採取する必要などないほど、猛毒を捲き、アメリカは化学戦争の現場にしたわけだから、証人はいっぱいいるし、証拠も山ほどある。対話を重ねていくうちに、そういうものが無視ができなくなったのだ。
額の問題はあるが、それを処理するために、アメリカ政府はついに3400万ドルを拠出したのだ。
しかし、被害者への支援となると、まだまだ理想にはほど遠い。アメリカ議員の中にも、枯れ葉剤被害者を支援したいという議員がいることはいる。被害者という言葉を使う人もいるし、あえて使わない人もいる。現在アメリカ側はダナンの被害者の支援も始めているようだ。被害者の支援については、引き続き、アメリカ側との継続案件である。
ベトナム側としては、まずは、ダナンの枯れ葉剤を徹底的に処理する方針だ。それからビエンホア空港、フーカット空港へと移る。ダナンの枯れ葉剤の徹底的除去は、いつごろ終わるのかだが、
どのくらい早く除去できるかは、ベトナムとアメリカの話し合い次第だ。現在必要な手続き中である。来年の初めには除去作戦の開始ができると思う。実施期間は、大体3年を予定している。長い話だ。

ダナン空港周辺での調査活動


ダイオキシン除去は、どういう方法で処理するのかといえば、サーマル・ディソープション方式が採用される。
これを簡単に言うと、  Thermal Desorption Method』略称TDSで、
昇温吸着方式は、彼らが固体マトリックス(一般的に土壌、ヘドロまたはフィルタ・ケーキ)から除去(分離)できるように、汚染物質の揮発性を増やすために熱を利用する環境修復技術のことである。温度を400度に上げて、化学物質を分解吸着する方法だ。これはアメリカの技術で実施する。アメリカCDM社の技術を使う。バイオで処理する方法も選択肢に入っていたが、最終的には、このサーマル・ディソープション方法が採用された。
この方式でやると、土壌をどこかに廃棄処分するというような不可能に近い方法を撮る必要はなくなった。
この技術が生まれて25年強。ダナン空港北辺の環境がどのくらい浄化されるかは、私にはわからない。
※写真は2枚とも、ベトナム資源環境省33委員会の「全体報告」から借用)

北村 元 愛のベトナム支援隊
Love & Support Vietnam Since 1990
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かつては

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