2010-09-10

支援隊の旅(03)ダナン市

8月16日:やがて遅刻していたテレビ局もやってきました。
いよいよ奨学金贈呈式です。長い時間を準備に掛けてきただけに、何事もないようにと無事を祈り、緊張しました。タイホー(西湖)小学校の生徒の間に静寂が広がりました。
「日本から来て下さった」と言って、代表して宮尾会長が紹介されました。

眼科無料検診の名古良輔医師に対しても、ダナン市医療局から感謝の言葉が送られました。
ダナン市枯れ葉剤被害者協会のヒエン会長が挨拶に立ちました。

「ダナン市には5000人ほどの枯れ葉剤被害者がいます。6月のある日、日本からベトナム支援隊が打ち合わせのためにやって来ました。普通は、支援をする人たちが事前に調べたりして時間のかかるものですが、この日本の方々はすでに支援する用意が出来ていて、実は驚きました。そして、とても嬉しかったです。皆さんに、奨学金贈呈を見ていただきたく、学校で行うことになりました。奨学金の受領者には大きな励みになることでしょう」

ヒエン会長は、現在市内に2箇所の障害者施設を運営しておられます。そして、3箇所目が建設の途上にあります。実行力のある方です。ご自身、お子さんを授かることを諦めていらしたそうですが、やっと子どもが授かったら女の子の双子で、その隠しきれ無い喜びようを話されていました。当日、その双子のお嬢さんを会場に連れてこられていました。
支援隊を代表して、小生が、小学校へのお礼、医療局への眼科検診のご協力に感謝の言葉を述べた後、生徒たちに挨拶しました。

「本日は、皆さん、奨学金の受領おめでとうございました。奨学金を大事に使ってください。

 これは、日本政府のお金ではありません。日本企業のお金でもありません。

 日本の名もない普通の庶民が、コツコツと働いて貯めたお金を、ベトナムの枯れ葉剤の被害者皆さんのために使って下さいと贈って下さったお金です。それを忘れないでください。

 私たちは、ダナンの若い生徒さんに、日本の庶民の皆さんが託してくれたお金を使っていただくことをほんとうに嬉しく思います。
 
 わずかなお金ですが、有効に使って下さい。辛い時、苦しい時、遠い日本に応援している人がいると考えて頂ければ、とってもうれしいです。奨学金を受け取る人だけでなく、タイホー小学校の皆さんに、4つの目標を送ります。


①健康でいきましょう ②本を読みましょう ③決して焦らないでいきましょう ④幸福を目指して毎日努力していきましょう

楽しい学校生活を送ってください。」

普通の小学校で、枯れ葉剤被害者の奨学金贈呈式を行うのは、始めてではないと思います。そこにヒエン会長のお心の奥深さがあると思います。奨学金を受ける生徒の励みになるばかりでなく、その場面に居合わせた生徒たちの心のどこかに、支えていかなくてはいけない人たちへの支援の気持ちが芽生えるのではないかと思うからです。

5人の生徒さんに一人ずつ、証書を贈らせて頂いた。

6月のダナンVAVA訪問時に、宮尾会長と私は、ダナン枯れ葉剤被害者協会の名誉会員にさせて頂きました。頂いたリストを見る限り、2010年初の名誉会員で、私たちは28番目と29番目になるようです。27名の国籍は、アメリカ、イタリア、フランス、カナダ、日本、オーストラリア、アイルランド、デンマークです。

もとより、名誉職には何もしなくてじっとしていればいいというのが多いですが、これはそういう職務ではないだろうと思っています。(つづく)Posted by Picasa

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