2010-09-23

支援の旅(25)クアンガイ奨学金1

8月17日:前日、ホテルのチェックインよりも先に、おいしい夕食(人によって異論もありそうですが)をとってから、ホテルの部屋に入りました。私たちは、宮尾会長と、ダナンのホテルでやったように、奨学金証書の点検、奨学金の封筒詰め作業と、奨学生に渡す写真の仕分け作業をしました。佐々木あかねさんが志願してくれたおかげで、思ったより作業は早くはかどりました。助っ人の威力を感じました。この作業は、奨学金贈呈がある限り続くことになります。

ツアー参加者にとっては、ゆっくり休むまもなく、朝9時から始まる奨学金贈呈式に臨みました。

贈呈式の会場は、われわれの宿舎である石油系企業のホテルの会議室です。その石油に関係する日本企業の人も泊まるホテルです。私は、バスの中で、『クアンガイのシェラトン・ホテル』と紹介したところ、皆は笑いました。他のホテルに泊まると、ここがいかにシェラトン・ホテルかが納得でき、誰も何も言わなくなります。ツアー最初にして最後の4スターホテルです。会議室は、ホテル側のご好意で、無料で使用させてくれました。大感謝です。
なぜ,ホテルの会議室なのか・・・。奨学生に静かな環境で、涼しい部屋で迎えて、話し合いたかったからです。
司会↑:宮尾会長 北村様 日本の皆様、ようこそおいで下さいました。私たちクアンガイ省枯れ葉剤被害者協会のカイ会長 そして、ロン副会長も今日は元気で出席しております。また、クアンガイ省各郡の枯れ葉剤被害者協会の会長も出席しております。では、静岡のグループを代表して、北村さま 宮尾会長、名古医師の順でご挨拶を頂戴します。

北村 挨拶(まず最初に、7月の台風でクアンガイ省で被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げました。病気入院中のカイ会長が病院を抜けだしてご出席下さったことへのお礼、この奨学金贈呈式の準備にあたって下さったロン副会長ほか枯れ葉剤被害者協会の皆様へのお礼、さらには、午後の眼科検診に全面的に協力して下さった本省人民委員会及びトゥー・ギア郡人民委員会にお礼を述べました。最後に、ご出席の皆様の末永いご健康と、クアンガイのすばらしい方々の人生行路に幸多かれと祈ります、と結びました)
宮尾会長
宮尾和宏会長↑(愛のベトナムさわやか支援隊) 挨拶(要旨)

皆様、こんにちは(シン チャオ カッバンと発音すると拍手が湧きました。)。昨年クアンガイ省を訪問してはや1年。本日、皆様と元気でお会いできることがとても嬉しうございます。クアンガイ省枯れ葉剤被害者協会のカイ会長には、6月の訪問時にはお会いできませんでしたので、今日もお会いできないと思っていました。今日、ご出席下さり、大変に嬉しく思います。昨年、奨学金を受け取った方は、一生懸命勉強され、充実した1年を過ごされたと確信します。これから、また新しい1年が始まります。一所懸命勉強して有意義な1年を過ごして下さい。皆様に差し上げるお金は、日本政府からのお金ではありません。日本の一般庶民からご寄付を頂いたお金です。有り余ったお金を寄付して頂いたわけでもありません。お金は十分ではないかも知れませんが、社会、国家のために立派な社会人になってほしいという気持ちから出たお金です。どうぞしっかり勉強してください。そして、頑張ってください。
お世話になりましたクアンガイ枯れ葉剤被害者協会の皆様に厚く御礼を申し上げ、今後とも宜しくお願いいたします。(拍手)
ロン副会長
ロン副会長↑ご挨拶(要旨)

クアンガイVAVAのクイ会長に代わり、静岡の宮尾会長、北村ご夫妻、そして今回の訪問団のお客様ようこそお越し下さいましたと、申し上げます。クアンガイのVAVAは、この4年間静岡の皆様とずっとお付き合いさせて頂きました。その間にとてもすばらしい支援を頂戴しました。遠い日本から、わざわざクアンガイまでお越し頂き、すばらしいお心でクアンガイの枯れ葉剤被害者の世帯の為に奨学金を贈ってくださいました。宮尾会長は少ない金額とおっしゃいましたが、枯れ葉剤被害者世帯には大きな金額です。日本政府のお金ではなく、一般庶民の浄財であることもよく承知しています。昨年贈って下さった豚も、被害者世帯の生活改善にかなり役立っております。以前贈って下さった車椅子も、被害者のためにとても貢献しております。特にお礼を申し上げたいと思います。

北村さんからも提案のあったクアンガイ省の枯れ葉剤被害者の写真展を、将来開催できればと念願しております。

できれば日本に行ってお礼を申し上げる機会を作り、恩返しが出来でればと祈っています。そして、日本のシンボルとなっている富士山を一目みてみたいです。(拍手)そして、関西空港をちょっと見てみたいです。そして、花売り(ベトナムの路上でよく見られる)もしてみたいと思います。そして・・日本の温泉や銭湯にも入ってみたいと思います。(笑い)
最後になりましたが、皆様のご健康とご幸福をお祈りします。そして、日越の両国関係、静岡の会とクアンガイの会との関係が発展をしていくことを祈っています。もう一つ最後に、皆様とクアンガイの会をつないでくれている外務省のタインさんにもお礼を申し上げます。(拍手)
名古良輔医師
名古良輔医師 挨拶(要旨):
皆様、こんにちは! 昨年私が奨学金を渡したレ・ティ・キム・チュンさんと元気でお会いできて嬉しく思います。
今年も奨学金を贈呈できることを嬉しく思い、このお金で、皆様が少しでも安心して勉学できることを祈っています。

北村元さんも私も、学生時代奨学金のおかげで、勉強することができました。これから、皆さんも一所懸命勉強してくれるはずですが、その前に一度は次のことを考えてみてください。

それは、何のために勉強するのかということです。もちろん幸せになるためです。では幸せとは何でしょうか。自分が本当に好きなことをみつけ、仕事として毎日取り組むことができること、それが幸せだと思います。自分が本当に好きなことは何なのかを見つけるために、人は勉強するのです。

映画監督の黒澤明さんはこう言っています。「自分が本当に好きな物をみつけてください。見つかったら、その大切なもののために努力して下さい。君たちは努力したい何かを持っているはずです。きっと、それは君たちの心のこもった立派な仕事になるでしょう。」
人に幸せには4つあります。一つは人に愛されること。二つ目は人に褒められること。3つ目は人の役に立つこと。4つ目は人から必要とされること。


そして人に愛されること以外の3つの幸せは、働くことから得られるのです。自分が本当に好きなことは何なのか? それを一生続けていくことが出来るのか? 勉強することは自分発見の旅でもあります。幸せへの道は、意外と遠回りです。時間もかかります。


私たちの奨学金が、そのために少しでもお役に立つことを心から祈っています。健康に注意して、毎日毎日を大切にすること、その積み重ねが幸せへの道のりです。


皆さんの頑張っている様子を知らせてください。それが私たちの幸せでもあります。ぜひ頑張って下さい。ありがとうございました。(拍手)
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ロン副会長が、名古医師の挨拶を聞きながら、涙を浮かべていました。ご自分の来し方と重ね合わせていたのかも知れません。「とても意味の深いご挨拶でした」とおっしゃっていました。
自分の幸せのみならず、他人の幸せのためにも勉強するところに、大きな力が生まれます。

挨拶が終わって奨学金 奨学証書の贈呈に移りました。(つづく)Posted by Picasa

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