2011-05-07

正義を求めて裁判継続へ

枯れ葉剤散布から50周年の日が近づいてきた。今日から、50周年のその日の8月10日まで、エージェント・オレンジ犠牲者への鎮魂、クアンチ省のチュオンソン烈士墓地への参拝、8月10日の枯れ葉剤散布50周年のための集会、1万人の被害者に対する無料検診など、ベトナム政府は、枯れ葉剤散布50周年の一連の活動を計画している。

ベトナム枯れ葉剤被害者協会(VAVA)のチャン・スアン・トゥ副会長は、『ベトナムの声放送』(VOV)とのインタビューで、アメリカでの枯れ葉剤被害者の裁判闘争のために、さらに証拠を集めたと語った。

アメリカが認定しているダイオキシン関連の疾病のすべては、ベトナムで見つけられた。それら疾病は、VAVAの法的手続きの確たる証拠の一部として考えられるか?

国防省は、ダイオキシン汚染地区で浄化作業を展開している。ダイオキシンに重度汚染されたベトナムの3空港は、汚染除去作業が続いている。

VOV:(アメリカでの)訴訟が最終結論に達すること無く7年続いたが、VAVAはアメリカの化学会社に対する訴訟を続行するのか、それとも新たな方向で正義の闘争をするつもりか?

トゥ副会長: 時間の経過に関係なく、枯れ葉剤被害者協会は法的手段によって正義を追求し続ける。我々は、これから先もやるべきことが多く残っていることは承知している。まず 第1には、我々はアメリカ下院に、米越双方の枯れ葉剤被害者に対する補償を求めていく。そして第二に、我々はアメリカ議会と政府に、犠牲者に対して補償または助成金の支払いを求めていく。

ニューヨークのアメリカ最高裁判所による判決は、この州だけの効力しかない。 たとえニューヨークの法廷がベトナムの被害者の申し立てを却下したとしても、ベトナムはまだアメリカの別の州で裁判を起こすことができる。

最後段階の準備が進められており、ベトナムは、2011年後半か2012年前半には再び裁判を起こすものとみられる。
老いた祖母が孫に・・・ 
VOV: アメリカ法廷は、これまでの訴訟で、ベトナムが提出した証拠の多くを却下した。 今度提出する新証拠は、何か?

トゥ副会長: 我々は、訴訟のために、広範囲にわたる新証拠を集めた。アメリカが法的責任を忌避し、訴訟を行き詰まり状態に持ち込みたいことは、疑いあのないことだ。最終結論は、被告だけでなく、アメリカ政府の責任感次第でもある。

VOV: 米国が認定したダイオキシン関連の疾病のすべては、ベトナムで見つかっている。 彼らは、VAVAの法的手続きの説得力のある証拠の一部として考えられるのか?

トゥ副会長:その通りだ。それは重要な証拠だ。 米国は、15の疾病、ベトナムは17の疾病を確認した。疾病の多くは、両国に共通するものだ。 しかし、両国が提供しているリストには、免疫不全のようなダイオキシン起因の多くの重要な疾病を含まない。免疫不全は、他の病気ほど深刻でないので、一般的だが、誰にも気づかれないものだ。

一方、アメリカ政府は、アメリカのリストにあげられた疾病に悩むすべての被害者に助成金を支給している。それには、労働能力の10%を失った人々をも含んでいる。この実施は、アメリカがエージェント・オレンジのベトナム人被害者への責任を故意に回避することを、明白に示している。

チャン・スアン・トゥ副会長


被害者により多くの配慮を

VOV: アメリカはエージェント・オレンジ関連の問題で、ベトナムと共同して対応している。しかしながら、資金の投下は遅々としている。 アメリカ側の動きは、どこまで進んでいるのか?

トゥ副会長:アメリカ側は、国内と国際社会の強い圧力の下で、責任を認識している。 彼らは、/ダイオキシンの化学物質の有害な影響を認めた。 これは、ベトナムのエージェント・オレンジのAO被害者の正義を求める闘争では、最初の成功と思われる。

アメリカは年々、財政援助を増額してきて、2007-2009年度は300万米ドルから、現在はおよそ1500万米ドルまできた。 私が知る限り、枯れ葉剤被害者に何十億ドルを支出している。それでも、400万人のベトナム被害者の苦しみに比べれば、その金額はあまりにも少額だ。さらに、支出の大半は、汚染地区の浄化のためのものだ。汚染地域の解毒をすることとともに、アメリカは直接に犠牲者を支援しなければならない。

VOV: 最近のインタビューで、各省と都市に被害者のための施設を建設することなど被害者支援のための広範な活動を計画していると、あなたは言った。 どのような案なのか?

トゥ副会長:2009年8月10日の ベトナム枯れ葉剤被害者の日に、われわれは、5年以内に640億ドンを目標に、募金計画を始めた。現在、我々は、1件あたり5億ドンの建設費で、58の施設を建設する費用が十分に集まった。国からの支出でけんせつする10の施設を別にして、すでに12の施設の建設を完了した。 ベトナム市や各省にそのような施設を建設する事業は、2013年までに完了する予定だ。

当初は、各々の施設に、数十人の枯れ葉剤被害の子どもたちの面倒をみるために、5億ドンが支給される。 我々は、今、身寄りのない被害者や家族の支援を受けられない被害者の両親の面倒をみるために、ハノイ市、ダナン市とホーチミン市の3市に大型施設を建設する計画書をグエン・ティエン・ニャン副首相への計画を提出したばかりだ。
VOV: ベトナムへの枯れ葉剤の散布から50周年(1961- 2011)を迎え、どんな活動を計画しているか?

トゥ副会長:枯れ葉剤散布50周年の節目にあたり、8月10日に8月10日に、全国会議を開催する。この会議は、枯れ葉剤被害者支援にあたり、国内、国際社会に共に感謝の意を表し、戦後の後始末にはアメリカに責任があることを明確にするものである。

全国で、広範囲な活動が行われる。その中には、7月にも、困難な時期を耐えてきた枯れ葉剤被害者の栄誉を讃える第1回の全国会議を開催する。また8月6ひから9日までは、別の会議を開催し、被害者を訪問して慰問品を贈呈する他、被害者にに救急医薬品を贈ることも計画している。
VAVAは、現在これらの活動の準備をしている。

VOV: どうもありがとうございました。

愛のベトナムさわやか支援隊snnce 1990
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