“オスロ・ダイオキシン2006”国際会議が開催中だ。
今回26回目を迎えたダイオキシン国際会議。正式なタイトルは、『ハロゲン化した永続的汚染物質に関する国際シンポジウムーダイオキシン 2006』
会議場は、ノルウェーの首都オスロの王宮に近いラジソン・スカンジナビア・ホテルだ。フィヨルドから緑の森林の丘に囲まれた絶景のオスロ。(写真左)
多くのエージェント・オレンジ被害者を抱えているベトナム代表も参加している。否、中心的存在である。出発する前に、「行ってきます」と元気のいいメールを代表団からもらった。資源環境省のスタッフだ。会議は21日に開催され、本日25日に終了する。
このシンポジウム設立から前回のカナダ会議で四半世紀を迎えた。 今大会のモットーは、「友好的雰囲気の中でハロゲン化した永続的汚染物を分かち合う」今回も、科学の進歩、浮上した問題などの情報を交換しながら、学際的シンポジウムを開いている。
ベトナムが発表した資料の一部を入手したので、今日と明日にわたってブログに掲載する。入手した資料の原文は英語。この日本語は、公式の邦語訳ではない。誤訳もあるかもしれない。使用に当たってはご注意願いを願いたい。入手した資料を見る限り、依然としてベトナムの状態が明るくなっていないこと、枯れ葉剤関連の疾病リストの拡大に努力していることが伺える。
(1)ベトナム復員軍人における有毒化学物質/ ダイオキシンに関連する疾病の研究
レ・バック・クアン ドアン・フイ・ハウ ホアン・ヴァン・ルオン
国防省、軍医学院 ハノイ市ハタイ区ホー・スアン・フオン通り15番地
はじめに
ベトナム戦争中に、アメリカによる植物抑制剤/ダイオキシンの使用は、人体の健康と環境に種々の結果を引き起こした。多くの文献が、先天性奇形、ガン、血液病などを引き起こすことを示している。
全米科学アカデミーは、ダイオキシン関連の特定の疾病を証明した。そのうち、4疾病(肉腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、クロルアクネ)は、確かにダイオキシンに関係あることを証明した証拠ありとした。また7つ(肺ガン、喉頭ガン、前立腺ガン、骨髄腫、脊椎破裂、晩発性皮膚ポルフィリン症、末梢神経症、糖尿病)は、ダイオキシンに証拠的関連ありと考えられている。
これとは別に、最近の研究では、除草剤/ダイオキシンは、呼吸器官、免疫、皮膚、遺伝子などの一部疾病にも関連があるとことを示している。それ故、有毒化学物質/ ダイオキシンの関連する疾病のリストは、さらに追加されるべきものである。
研究の目的は、以下である。
◎ベトナム復員軍人における有毒化学物質/ ダイオキシン関連の疾病(全米科学アカデミー)の比率とメカニズムを確認すること。
◎有毒化学物質/ ダイオキシン関連の疾病リストに各種疾病を追加すること。
資料及びデータ
1.主題: ベトナムの8省/都市(ホアビン省、タイグエン市、クアンチ省、ビンディン省、ダクラク省、ビンズオン省、カントー市)に住む47歳から65歳の年齢の復員兵で、1962年から1975年までの愛で南部ベトナムで従軍した合計47,893人の元兵士が、研究にボランティアで参加した、この研究は、1994年から2004年にかけて行われた。
2.方法: ▼横断面的研究 ▼決められた質問を個々の面接で行う ▼臨床試験 及び 前臨床試験 ▼EPI-INFOR 6.04及びSPSS 12.0を使用してのデータ分析
結果と討議
8省(市)の47,893人の復員兵の調査の結果、曝露の度合いはさまざまだが汚染された復員兵の中で、化学物質と関係及び証拠があると確認した全米科学アカデミーの認定した11の疾病のうち、9症までが示された。
糖尿病7.64%、肺ガン1.3%、ホジキン・リンパ腫0.2%、非ホジキン・リンパ腫0.49%、肉腫0.19%、末梢神経病0.09%、前立腺ガン0.57%、珍しい疾病として、クロルアクネ2件、多発性悪性骨髄腫3件があった。
曝露グループにおける有病率は、非曝露グループより極めて高い(p>0.01)また、直接曝露グループと間接曝露グループの間には、差異は認められなかった。化学物質/ダイオキシンに関連する疾病リストに入った残りの二つの病気は、肝臓ガンと精神的疾病だ。(つづく)
2006-08-25
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