米上下両院は14日、オバマ米大統領と議会指導部が先週合意した2011年度(2010年10月─11年9月)の予算法案を可決した。
下院本会議は、オバマ米大統領と議会指導部が先週合意した2011年度(2010年10月─11年9月)の予算法案を260対167で可決した。
予算法案は、今会計年度の歳出を380億ドル削減する。下院の共和党議員の約25%は、削減幅が十分でないとして反対に回った。また、半分以上の民主党議員は、削減規模が大き過ぎ、低所得層に打撃を与えるとして反対した。
法案は上院では81対19で可決された。共和党議員15人、民主党議員3人、独立系議員1人が反対票を投じた。法案は今後オバマ大統領の署名を経て、正式に立法化される。
ここで、アメリカ予算に組み込まれたベトナム・枯れ葉剤被害関係の予算をみてみたい。
アメリカで「戦争遺産」プロジェクトの会長をしているスーザン・ハモンドさんの記事を送って頂いたので、翻訳して掲載した。
オバマ大統領は上下両院での、2011会計年度の予算案可決にともない署名した。この予算案には、ベトナムにおけるエージェント・オレンジ被害のための支出1850万ドルを含まれている。 その予算のうち、1550万ドル分は、ダナンのダイオキシン浄化のための予算である。このプロジェクトは、予算が変更されない限り、浄化作業が開始されれば、改善プロジェクトのために必要とされる資金提供をこの点で完了する。 このプロジェクトのための主体者は、来月かその辺にはUSAIDから派遣され、その後今年中に作業を開始する予定だ。さらに300万ドルは、枯れ葉剤関連の医療計画に割り当てられている。 USAIDは、セイヴ・ザ・チルドレン、イースト・ミーツ・ウェスト、VNAHがこれまで行っていた資金供給を受けた3プロジェクトの見直しを進めている。この見直し作業と、ベトナム政府側からの意見を受けたあと、さらなる資金提供をどのように健康・医療関連事業に使用するかをUSAIDは決定をする。
この予算獲得は、バーモント州出身の上院議員、パトリック・レーヒー議員、特に予算委員会のティム・リースター議員とそのスタッフの労苦に負うところが大きい。そして、また、ベトナムでエージェント・オレンジ・ダイオキシン被害のためにアメリカ政府からより多くの資金提供を受けるために活動をしているたアメリカ人の活動によるところも大きい。もちろん、しなければならないことは遙かに多い。しかし、過去からみれば、年々資金提供は増加の一途をたどっていることを示している。(2007会計年度300万ドル; 2009会計年度300万ドル; 2010会計年度1500万ドル;そして、2011会計年度は1850万ドル)。政府の支出削減努力によって、予算の中で1850万ドルを保つすら挑戦である。よって、表面で見えるより、大きな勝利なのだ。
多くの人が、これでは進行中のエージェント・オレンジ/ダイオキシンの健康と環境面での影響に注意を向けるにはまったく十分でないと考えるかもしれないが、しかしながら、一方で、われわれは、ちょうど5年前の状態からは遠く離れたということを思い出さなくてはならないという点で、私は同意する。 我々は、いま、予算増額を確実とするために、12会計年度の予算に現在集中しなければならない。 「新しいワ政府の中で、これは容易な仕事ではない。
+++++
オバマ大統領が、14日に議会に提出した2012年度の予算教書では、予算総額は3兆7000億ドル。今後10年で1兆1000億ドルの財政赤字削減を目指し、3分の2を歳出削減で、残る3分の1を増税でまかなう。
国防費を除く政策的経費は今後5年間据え置きとし、低所得層向けの一部補助金削減、住宅ローン金利や寄付金に対する控除の新たな制限などを盛り込む一方、メディケア(高齢者医療保険制度)や社会保障といった政治的人気につながる制度にはほとんど手を付けなかった。
こういう状況の中での予算獲得は大変である。ベトナム支援予算の獲得には、一方ならぬ苦労があったことが推察される。
北村 元 愛のベトナムさわやか支援隊 Since 1990
<本ブログの無断転載・複製を固く禁じます>
0 件のコメント:
コメントを投稿