昨日、小生のパソコンに、1通の”重い”メールが送られてきました。それは、ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会(VAVA)のグエン・チョン・ニャン副会長(写真下)からでした。
アメリカ最高裁の門前払いの決定に対するVAVAの怒りを抑えた、しかし憤怒の声明でした。公式の邦語訳ではありませんので、お断りしておきます。
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ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会声明
米最高裁判所は、2009年2月27日に、下級審で不当にも棄却されたベトナム枯れ葉剤被害者協会及びベトナム人被害者の訴訟を審理しないことを決定した。
ベトナム戦争中の、1961年から1971年までにおいて、アメリカ軍は化学兵器と毒性物質を配備する一方で、およそ8000万リットルの有毒化学剤を撒布した。そのうち61%がエージェント・オレンジであり、366キログラムのダイオキシンが含まれ、撒布は南部ベトナムの面積の17%に及んだ。この化学戦争の結果は、極めて重大で、ベトナム人と環境に長期に及ぶものである。この毒性化学物資に曝露したおよそ480万人のうち、300万人が重度の傷害を受けた。その中に、多くの女性や子どもが含まれている。
1960年代以降、多くの著名な国際科学者やアメリカの科学者が、この化学戦争を非難してきた。1967年末には、デンマークのコペンハーゲンで、バートランドラッセル国際法廷が開かれ、“アメリカは、捨て鉢になって国際社会が禁じている最も野蛮な武器を使用し、ベトナムの子ども、女性、民間人を殺戮した”と判決を下した。
一般的にベトナム戦争の結果は、特にエージェント・オレンジの結果は、ベトナム人に大きな影響を与えたのみならず、アメリカ兵、オーストラリア兵、ニュージーランド兵、韓国兵、カナダ兵など多くの兵士に影響を与えた。しかしながら、ベトナム人は最も厳しい、最も痛恨な結果を受けなければならなかった。それは、彼らがエージェント・オレンジに最もひどく曝露したからである。
ベトナム戦争の終結から30年以上が経過したが、アメリカは依然としてこの戦争の負の遺産の解決に参加することを拒否している。その故に、2004年1月30日に、ベトナム枯れ葉剤被害者協会とベトナム人被害者は有毒物質を製造し、米国軍にそれを供給したアメリカの化学会社を相手に、集団訴訟を起こすことに決定したのだ。正義と公平はベトナム人被害者に当然ありと認識しつつ、ベトナム国民とアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本など多くの国の機関や個人を含む世界の友人たちが最初からベトナム枯れ葉剤被害者協会の法廷闘争を支持してきた。
特にアメリカ公衆衛生協会(APHA)が、アメリカ議会、政府、化学会社がエージェント・オレンジの全被害者に総合的な援助を提供する責任を有するという決議を採択したことは注目される。2008年5月15日、下院のアジア、太平洋、世界環境問題に関する外交小委員会で、公聴会が開かれた。そこで、“われわれの忘れた責任―エージェント・オレンジの被害者を助けるために、われわれに何が出来るか?”と題して証言が行われたのである。
これまでのアメリカの法廷は、エージェント・オレンジを単に枯れ葉剤と特徴付け、人類に有害な毒物としての認識しない深刻な過ちを犯してきた。アメリカの法廷は、その使用はベトナム人を傷つけるために使われたのではないと主張する間違いを犯してすらもいる。
それ故に、アメリカの法廷は、ベトナムにおける有毒エージェント・オレンジ・ダイオキシンの撒布による有害な結果に関して、多くのベトナム科学者や世界の科学者によって確認された客観的な事実を拒否してきた。
ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会(VAVA)は、その決定を大いに遺憾とするものである。アメリカ議会、政府が、最近、ベトナムおけるエージェント・オレンジ/ダイオキシンの結果を解決するための予備的な歩みを始めている時に、アメリカ最高裁がこの訴訟の審理をしないことを決定したことは、皮肉な結果だ。アメリカ最高裁は、司法の公平さ、正義の尊重、アメリカ国民が固有に持つ人権愛を示す好期を逸したのである。
エージェント・オレンジ/ダイオキシンが引き起こす痛みは、1分ごとに曝露したベトナム人の生命を奪い、われわれの被害者に多大の苦痛を与えているのである。われわれは、アメリカ最高裁の決定に完全なる失望を感じている! ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会とベトナム人被害者は、ベトナムにおけるエージェント・オレンジ/ダイオキシンの結果を解決するための法的、道徳的責任は、アメリカの双肩にかかっていることを要求して、国内外のベトナム人と世界の良心の人々に、われわれの側に立ってくれるよう熱き呼びかけをしたい。道理は、常にわが枯れ葉剤被害者の側にある! 正義は尊重されなくてはならない!
われわれは、正義を勝ち取るまで、あらゆる可能な手段を講じて、この闘争を断固進める決意である。(了)
ベトナム戦争中の、1961年から1971年までにおいて、アメリカ軍は化学兵器と毒性物質を配備する一方で、およそ8000万リットルの有毒化学剤を撒布した。そのうち61%がエージェント・オレンジであり、366キログラムのダイオキシンが含まれ、撒布は南部ベトナムの面積の17%に及んだ。この化学戦争の結果は、極めて重大で、ベトナム人と環境に長期に及ぶものである。この毒性化学物資に曝露したおよそ480万人のうち、300万人が重度の傷害を受けた。その中に、多くの女性や子どもが含まれている。
1960年代以降、多くの著名な国際科学者やアメリカの科学者が、この化学戦争を非難してきた。1967年末には、デンマークのコペンハーゲンで、バートランドラッセル国際法廷が開かれ、“アメリカは、捨て鉢になって国際社会が禁じている最も野蛮な武器を使用し、ベトナムの子ども、女性、民間人を殺戮した”と判決を下した。
一般的にベトナム戦争の結果は、特にエージェント・オレンジの結果は、ベトナム人に大きな影響を与えたのみならず、アメリカ兵、オーストラリア兵、ニュージーランド兵、韓国兵、カナダ兵など多くの兵士に影響を与えた。しかしながら、ベトナム人は最も厳しい、最も痛恨な結果を受けなければならなかった。それは、彼らがエージェント・オレンジに最もひどく曝露したからである。
ベトナム戦争の終結から30年以上が経過したが、アメリカは依然としてこの戦争の負の遺産の解決に参加することを拒否している。その故に、2004年1月30日に、ベトナム枯れ葉剤被害者協会とベトナム人被害者は有毒物質を製造し、米国軍にそれを供給したアメリカの化学会社を相手に、集団訴訟を起こすことに決定したのだ。正義と公平はベトナム人被害者に当然ありと認識しつつ、ベトナム国民とアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本など多くの国の機関や個人を含む世界の友人たちが最初からベトナム枯れ葉剤被害者協会の法廷闘争を支持してきた。
特にアメリカ公衆衛生協会(APHA)が、アメリカ議会、政府、化学会社がエージェント・オレンジの全被害者に総合的な援助を提供する責任を有するという決議を採択したことは注目される。2008年5月15日、下院のアジア、太平洋、世界環境問題に関する外交小委員会で、公聴会が開かれた。そこで、“われわれの忘れた責任―エージェント・オレンジの被害者を助けるために、われわれに何が出来るか?”と題して証言が行われたのである。
これまでのアメリカの法廷は、エージェント・オレンジを単に枯れ葉剤と特徴付け、人類に有害な毒物としての認識しない深刻な過ちを犯してきた。アメリカの法廷は、その使用はベトナム人を傷つけるために使われたのではないと主張する間違いを犯してすらもいる。
それ故に、アメリカの法廷は、ベトナムにおける有毒エージェント・オレンジ・ダイオキシンの撒布による有害な結果に関して、多くのベトナム科学者や世界の科学者によって確認された客観的な事実を拒否してきた。
ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会(VAVA)は、その決定を大いに遺憾とするものである。アメリカ議会、政府が、最近、ベトナムおけるエージェント・オレンジ/ダイオキシンの結果を解決するための予備的な歩みを始めている時に、アメリカ最高裁がこの訴訟の審理をしないことを決定したことは、皮肉な結果だ。アメリカ最高裁は、司法の公平さ、正義の尊重、アメリカ国民が固有に持つ人権愛を示す好期を逸したのである。
エージェント・オレンジ/ダイオキシンが引き起こす痛みは、1分ごとに曝露したベトナム人の生命を奪い、われわれの被害者に多大の苦痛を与えているのである。われわれは、アメリカ最高裁の決定に完全なる失望を感じている! ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会とベトナム人被害者は、ベトナムにおけるエージェント・オレンジ/ダイオキシンの結果を解決するための法的、道徳的責任は、アメリカの双肩にかかっていることを要求して、国内外のベトナム人と世界の良心の人々に、われわれの側に立ってくれるよう熱き呼びかけをしたい。道理は、常にわが枯れ葉剤被害者の側にある! 正義は尊重されなくてはならない!
われわれは、正義を勝ち取るまで、あらゆる可能な手段を講じて、この闘争を断固進める決意である。(了)
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