2009-03-18

(8)枯れ葉剤被害訴訟棄却 NGOの声

今回は、3月7日付けのベトナム語紙「タイン・ニエン」(青年)紙の報道です。
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エージェント・オレンジ被害者が訴えた上告を審理することを拒否するという3月2日の最高裁の決定は、被害者、ベトナム政府、国際支援団体から多くの非難を引き起こした。

ニューヨークでの第2回米国巡回上告審は、これより先、エージェント・オレンジは、ベトナム人、アメリカ人の癌、糖尿病、先天性欠損症に関連しているという科学的研究があるにもかかわらず、エージェント・オレンジは健康に有害な影響があるというベトナム側原告の訴えを退けていた。
米最高裁が、理由もつけずに最高裁が不受理を決めたことは、ベトナム枯れ葉剤被害者協会が起こした以前三回の訴え、つまりベトナム戦争中に使用された化学剤を製造した米37企業に補償を求めた以前の控訴棄却が依然有効だということであるということを物語っているのではないか。

スーザン・ハモンド(戦争遺産プロジェクト:米NGO)は、次のように語った。

「勿論、私たちは全員が、最高裁が、裁判の審理を進めることを可能にする訴える嘆願を拒否する決定をしたことに失望している。

しかし、仮に裁判の進行が出来たとしても、それにはアメリカの裁判制度の中で長い年月がかかる。

エージェント・オレンジのために障害や疾病を持つベトナム人には、もう待つことは出来ない。彼らは、直近の健康、教育、日常生活に問題を抱えている。

エージェント・オレンジの影響を受けた人たちにもともっと手をさしのべられる必要がある。リハビリセンターや病院から隔てた所に住む田舎の人たちには、特にそうである。

エージェント・オレンジの影響を受けた人たちのために働いている戦争遺産プロジェクトや他のNGOは被害を受けたベトナム人を支援する努力を継続するだろう。

資金の投入は、財団、企業、個人など多くの分野からの資本を必要としているだけでなく、特にアメリカ政府から、資金を必要としている。アメリカ政府は、障害者への支援と病人のための医療援助、疾病や障害者の面倒を見るために働くことの出来ない貧しい家族を支援する計画への資金援助の増額をすべきだと思う。

ベトナムの新世代がエージェント・オレンジの影響を受けないように、旧米軍基地周辺のダイオキシン汚染地の洗浄のための資金を増額すべきだと思う。

アメリカが昨年提供したエージェント・オレンジ計画のための300万ドルは悪くはないが、まさに雀の涙にすぎない。

私たちとしては、それにもうひと桁増やすことをしてもらいたい。しかし、ベトナムにおけるエージェント・オレンジの長期的健康問題と環境問題についてアメリカ政府の役人を教育し、これが人道的問題であって、政治問題ではないと言うことを理解させるためには、まだまだ作業が必要である。

ベトナムでは、よく一歩一歩と言う言葉を聞くが、赤ちゃんの一歩ではなく、大きな一歩がわれわれには必要だ。

孤独な闘いではない

仮に裁判がこれ以上進まなくても、裁判は無駄ではなかった。

ベトナムのメディアの報道と外国のメディアの全報道が、“エージェント・オレンジ”に、人間の顔をつけ、これが歴史問題ではなくて、ベトナム戦争中に曝露したアメリカ軍復員軍人や他の国の人々だけでなく、ベトナムで、多くの家族が日常茶飯事苦しんでいる問題であるということを、人々に理解してもらうことに一助になったからである。

訴訟は、彼らが当然必要としている支援を得るための共通の闘いの中で、世界の人々をエージェント・オレンジ被害者を結びつける役目を果たした。

彼らの闘争の支援のために、必要な物は何であれ、われわれは継続して支援いていくつもりだ」
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2009-03-14

(7)米最高裁 枯れ葉剤訴訟 棄却

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まず、ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会のチャン・スアン・トゥ事務局長は、この決定を“無意味であり間違っている”と非難。
友好村の子ども達

この事務局長の発言は、ベトナム国民は、完全にアメリカ最高裁の決定に憤激しているというレ・ズン外相の3月3日の声明とも呼応する。

100人を超すベトナムの被害者は、2004年にエージェント・オレンジを製造したアメリカ企業を相手取って、化学物質が癌や遺伝的欠損を含む疾病の原因だとして、訴訟を起こした。

アメリカの裁判所は、終始、原告らの疾病はエージェント・オレンジが原因だということを証明できなかった。メーカーは、アメリカ政府の命令で枯れ葉剤を製造したので、訴追から免除されると判決してきた。

チャン・アイン・キエット君とお父さん
ズン外相は、この決定を、間違ったもの、不公正なものとし、法廷は、環境とベトナム国民の健康にエージェント・オレンジとダイオキシンが深刻な影響を与えたことを否定した。
アメリカ政府は、枯れ葉剤がたくさん使用されたエージェント・オレンジのダイオキシンが数カ所を重度に汚染させたと認めており、浄化と改善事業の援助として約300万ドルを割り当てた。
ベトナム戦争中に共産軍の聖域を剥ぎ取るために、アメリカ軍はジャングルに枯れ葉剤を撒布し、多数のベトナム人が枯れ葉剤に曝露した。特定なケースをエージェント・オレンジに結びつけることはこんなんとしながらも、ダイオキシンは一部の癌や呼吸器系の疾病を含む多くの病気と関連していると、科学者は主張している。
最高400万の国民がエージェント・オレンジ関連の疾病に苦しんでいるというのがベトナム側の主張だ。Posted by Picasa

2009-03-13

(6)IADL 被害者の継続支援を表明

国際民主弁護士協会(IADL)会長が、訪越し、協会として枯れ葉剤被害者の支援を国際的に支援することを確認した。
IADLジテンドラ・シャルマ会長は、3月10日にハノイでグエン・ミン・チエット大統領と会談し、ベトナム戦争中に使用されたエージェント・オレンジの毒物の製造責任があるアメリカの化学企業に対するベトナム被害者の嘆願をアメリカ最高裁が否定したので、同協会は、ベトナムのエージェント・オレンジ被害者の国際的支援を呼び掛ける運動を始める一層の決意をしたと述べた。
シャルマIADL会長(左)とチエット大統領
同会長は、協会は、ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会と足並みを揃え、この5月にパリ市内で、国際的な民間人の裁判を開く計画をしていると明らかにした。これが、同協会の最初の運動になる。

すでに、国際的に有名な数人の弁護士が判事や監督者として裁判への参加を合意していると、同会長は語った。

同協会は、今年6月にハノイで、第17回IADL総会を開催する準備をベトナム弁護士協会と共に進めている。

同会長は、この総会は、IADLにとって重要な意味を持つ行事であり、アジアで開催する初の会議だと述べた。

これに対して、チエット大統領は、IADLと同会長に、国民解放闘争と国家建設の途上、特に正義を求めるエージェント・オレンジ被害者の闘争中におけるベトナム人民への長期に渡る支援に感謝の意を表明した。

民衆裁判は、平和と正義を愛し、アメリカの責任を明確にしたいと願う人々の自然な発露である、と大統領は強調した。(ニャンザン紙より)
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2009-03-12

(5)オバマ大統領への書簡

この記事は、連載の「米最高裁 枯れ葉剤被害訴訟 棄却」シリーズの(5)として掲載致します。
今回は、英越友好協会のアルディス事務局長の、オバマ大統領への書簡です。翻訳は北村 元が行いました。写真も北村が挿入しました。もちろん、大統領への書簡には、写真は入っておりません。以上、お断りしておきます。(北村 元)
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2009年3月4日
バラク・オバマ大統領
ホワイト・ハウス
1600 ペンシルヴェイアニ・アヴェニューNW ワシントンDC

Ref:米及び越エージェント・オレンジ被害者に関する米最高裁決定

大統領閣下

この書簡は、貴大統領に宛てた2通目の書簡です。1通目
(*当ブログ1月25日に掲載)は大統領に当選後、私も含めて多くの人々の将来に向けて希望と夢を託した物で、コピーを添付致しました。
残念ながら、私は、ベトナム戦争でアメリカ軍によって使用されたエージェント・オレンジで深刻な影響を受けたアメリカ復員軍人とベトナム人(およそ300万人以上)による訴えを拒否する、3月2日のアメリカ最高裁の恥ずべき決定に怒りを持って、この手紙を認(したた)めています。
証拠があるにもかかわらず、そのような決定が為されうると言うことは、被害者とその家族に対する侮辱です。さらなる侮辱は、裁判官が決定-それも信じられない決定ですが-その決定理由の説明をしなかったことです。

エージェント・オレンジを製造した企業の陪審による裁判を要求した訴えを拒否したことは、最高裁とアメリカ合衆国国家そのものの面目を潰すことになります。
秘密のエージェント・オレンジ

ご存じかもしれませんが、1984年にアメリカ復員軍人が同じ疾病で、同じ障害で同じ企業を訴えて、企業は法廷外で1億8000万ドルの解決金を払いました。

大統領閣下。あなたは1961年8月4日に誕生されました。まさにその月に、アメリカ軍は、南部ベトナムにエージェント・オレンジの撒布を開始したのです。そして、それは10年間続きました。エージェント・オレンジによる森林破壊の結末は、今日でもまだ見ることが出来ます。そして、エージェント・オレンジの結末もまた、ベトナムで深刻な影響を受けた障害者に見ることが出来ます。

最も痛々しいことは、戦争終結の後長い年月の後に生まれても、影響を受けている若い人々の数です。それは、アメリカが残した恐怖の遺産であり、それは第三世代まで引きずっていますし、仮に今そうでなくても第4世代にも指呼の距離です。

毎年ベトナムを訪問していますが、訪問中に私は障害を背負った若者を含む人々に会います。手や足の欠損した子どもが、片足であれ、片腕であったり、両足であったりするにせよ、そういう子が床を這う姿をみるのは、心地よい光景ではありません。閣下は、二人のお子さんを可愛がっていらっしゃいます。ベトナムで生まれエージェント・オレンジの影響を受けた子どもを持った親とて同じように、どの親も愛しく思うものです。

スアン・ミンくん
閣下は、最高裁による決定がこれらの親にどういう影響を与えたかをご想像できますか? 昨年12月5日に、ハノイから貴殿にお送りしたEメールを読んでいただけたでしょうか。その中に、被害者はもう十分に待ち、苦痛を味わっているので、アメリカ裁判所の判決を待たないようにと、貴殿にお願いした手紙をしたためたことがお分かり頂けるでしょう。

大統領閣下。アメリカ最高裁は、いま、アメリカ復員軍人とベトナム人被害者の意向に反する判決を下しました。法廷の判決は判決として、貴殿には、エージェント・オレンジの被害者とその家族に対して財政的補償をする政策を立案する権限があります。
水頭症の子ども

1981年に生まれた結合双生児の兄弟のグエン・ドゥックさんの発言を引用して、手紙を終わらせて頂きます。

2006年11月に、あるアメリカのジャーナリストが彼にインタビューをしました。そして、私の考えでは、エージェント・オレンジの全被害者の気持ちをまとめていると思います。

ドゥックさん夫妻
「一方ではあなたの国は人は化学兵器を使用したとしてサダム・フセインを裁判にかけていながら、別の国では、あなたの国は戦争のために化学剤を撒布している。あなたの国は自分の責任を無視している。アメリカは、その責任を認め、ベトナムのエージェント・オレンジの被害者に補償をしなくてはならない。それは、あなたの国の道徳的義務である。早かれ遅かれ、それは為されなければならないことだ」
                          
これ以上、的確なことを言えた人は他にいないでしょう。
大統領閣下。被害者の正義のために、素早く実現して頂きたいと存じます。

敬白
レン・アルディス
英越友好協会事務局長
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2009-03-11

蓮の花奨学生 クエンさんからの手紙

昨年の8月、蓮の花奨学金を受けたニンビン省のファム・ティ・クエンさん。今ハノイの大学で勉強に励んでいます。クエンさんから、手紙が当会に寄せられました。ご紹介します。「すばらしい手紙です」と、翻訳のヴィンさんのお話です。
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大釜芙美子さま
大釜さんと家族の皆様の健康と幸福をお祈りいたします。
私は家族から離れて四ヶ月経ちました。今の生活環境は田舎での生活環境と大分異なり、まだその環境になれることが出来ません。
私にとってまだ一番良い勉強方法が身についていません。今は大学の寮に住んでいます。一部屋に八人で生活しています。皆はとても仲良くしています。
私は枯れ葉剤被害者の子供なので優先的に大学の寮に住まわせて貰っています。
普通の下宿より家賃が安いです。ただ大勢で生活しているので賑やかです。
学費は免除されていますので、母にかかる負担も軽くする事が出来ます。
私の生活は特に問題は有りませんが、ハノイの物価はとても高いです。
クエンさんからの手紙

ハノイへ来たばかりの時はとても寂しかったです。私は、母と妹にいつも世話を掛けていたので、今は全て自分でしなければなりません。最初はとても大変でしたが、今は同じ部屋の皆が仲良し家族になっています。

11月の月末に母が妹とハノイの病院へ来て医師に手術を勧められ家族はそれに同意しました。その手術は11月25日に行われました。
手術後妹の快復がとても早く一週間で退院の許可がでました。以上は私の家族の情況です。

芙美子さんの家族と会の皆様はお元気ですか?
後10日でクリスマスになって2009年がもう直ぐ始まります。家族を代表して皆様のご多幸をお祈りいたします。

奨学金証書を受け取るクエンさん
最後に、家族に代わって感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
皆様からのお助けがあったからこそ、私達の生活は大分楽になりました。本当に有難う御座いました。この便りがクリスマスの前に皆様に届く事を願っています。
                             
私と家族の皆が、皆様にお会い出来ることを心から願っています。
                         
この手紙が届きましたら、日本語で結構ですので簡単なお返事を頂きたいと思っています。
                            
ファム・ティ・クエン
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(お断り:お手紙は昨年の12月下旬に当会に届いていましたが、当会の手違いで気づくのが遅れました。翻訳が出来上がりましたので、掲載しました。訳者はLe Thi Hong Vinhさん(静岡市在住))Posted by Picasa

(4)米最高裁 枯れ葉剤被害訴訟 棄却

昨日、小生のパソコンに、1通の”重い”メールが送られてきました。それは、ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会(VAVA)のグエン・チョン・ニャン副会長(写真下)からでした。
アメリカ最高裁の門前払いの決定に対するVAVAの怒りを抑えた、しかし憤怒の声明でした。公式の邦語訳ではありませんので、お断りしておきます。
しかし、ひと文字ひと文字に、VAVAと被害者の苦汁が滲み出、怒りが塗り込まれています。一連の記事の(4)として、VAVAの声明をここに緊急掲載することにしました。

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ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会声明
                            
米最高裁判所は、2009年2月27日に、下級審で不当にも棄却されたベトナム枯れ葉剤被害者協会及びベトナム人被害者の訴訟を審理しないことを決定した。

ベトナム戦争中の、1961年から1971年までにおいて、アメリカ軍は化学兵器と毒性物質を配備する一方で、およそ8000万リットルの有毒化学剤を撒布した。そのうち61%がエージェント・オレンジであり、366キログラムのダイオキシンが含まれ、撒布は南部ベトナムの面積の17%に及んだ。この化学戦争の結果は、極めて重大で、ベトナム人と環境に長期に及ぶものである。この毒性化学物資に曝露したおよそ480万人のうち、300万人が重度の傷害を受けた。その中に、多くの女性や子どもが含まれている。

1960年代以降、多くの著名な国際科学者やアメリカの科学者が、この化学戦争を非難してきた。1967年末には、デンマークのコペンハーゲンで、バートランドラッセル国際法廷が開かれ、“アメリカは、捨て鉢になって国際社会が禁じている最も野蛮な武器を使用し、ベトナムの子ども、女性、民間人を殺戮した”と判決を下した。

一般的にベトナム戦争の結果は、特にエージェント・オレンジの結果は、ベトナム人に大きな影響を与えたのみならず、アメリカ兵、オーストラリア兵、ニュージーランド兵、韓国兵、カナダ兵など多くの兵士に影響を与えた。しかしながら、ベトナム人は最も厳しい、最も痛恨な結果を受けなければならなかった。それは、彼らがエージェント・オレンジに最もひどく曝露したからである。

ベトナム戦争の終結から30年以上が経過したが、アメリカは依然としてこの戦争の負の遺産の解決に参加することを拒否している。その故に、2004年1月30日に、ベトナム枯れ葉剤被害者協会とベトナム人被害者は有毒物質を製造し、米国軍にそれを供給したアメリカの化学会社を相手に、集団訴訟を起こすことに決定したのだ。正義と公平はベトナム人被害者に当然ありと認識しつつ、ベトナム国民とアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本など多くの国の機関や個人を含む世界の友人たちが最初からベトナム枯れ葉剤被害者協会の法廷闘争を支持してきた。

特にアメリカ公衆衛生協会(APHA)が、アメリカ議会、政府、化学会社がエージェント・オレンジの全被害者に総合的な援助を提供する責任を有するという決議を採択したことは注目される。2008年5月15日、下院のアジア、太平洋、世界環境問題に関する外交小委員会で、公聴会が開かれた。そこで、“われわれの忘れた責任―エージェント・オレンジの被害者を助けるために、われわれに何が出来るか?”と題して証言が行われたのである。

これまでのアメリカの法廷は、エージェント・オレンジを単に枯れ葉剤と特徴付け、人類に有害な毒物としての認識しない深刻な過ちを犯してきた。アメリカの法廷は、その使用はベトナム人を傷つけるために使われたのではないと主張する間違いを犯してすらもいる。
それ故に、アメリカの法廷は、ベトナムにおける有毒エージェント・オレンジ・ダイオキシンの撒布による有害な結果に関して、多くのベトナム科学者や世界の科学者によって確認された客観的な事実を拒否してきた。

ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会(VAVA)は、その決定を大いに遺憾とするものである。アメリカ議会、政府が、最近、ベトナムおけるエージェント・オレンジ/ダイオキシンの結果を解決するための予備的な歩みを始めている時に、アメリカ最高裁がこの訴訟の審理をしないことを決定したことは、皮肉な結果だ。アメリカ最高裁は、司法の公平さ、正義の尊重、アメリカ国民が固有に持つ人権愛を示す好期を逸したのである。

エージェント・オレンジ/ダイオキシンが引き起こす痛みは、1分ごとに曝露したベトナム人の生命を奪い、われわれの被害者に多大の苦痛を与えているのである。われわれは、アメリカ最高裁の決定に完全なる失望を感じている! ベトナム全国枯れ葉剤被害者協会とベトナム人被害者は、ベトナムにおけるエージェント・オレンジ/ダイオキシンの結果を解決するための法的、道徳的責任は、アメリカの双肩にかかっていることを要求して、国内外のベトナム人と世界の良心の人々に、われわれの側に立ってくれるよう熱き呼びかけをしたい。道理は、常にわが枯れ葉剤被害者の側にある! 正義は尊重されなくてはならない!
われわれは、正義を勝ち取るまで、あらゆる可能な手段を講じて、この闘争を断固進める決意である。(了)
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2009-03-10

2009年支援隊ツアー 参加者募集中

皆様 今年もベトナム枯れ葉剤被害者支援ツアーを実施することになりました。下記に旅程を掲載します。汗を流してみようという方には、絶好のチャンス。御連絡をお待ちしています。
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2009年支援隊ツアー日程

8月16日(日) NRT  成田11:00 ⇒ VN955 15:10 HAN B777
着後 市内にて休憩
     19:00~S1号(ホーチミン行き統一列車)でダナンへ  (列車は、4人部屋で2段ベッドです)

8月17日(月) 車内で朝食
     ダナン着 10:42 専用バスにてクアンガイへ 
     12:00 途中にて昼食
     13:30 ホテル到着~
     15:00 在宅1軒訪問
クアンガイ省枯れ葉剤被害者協会カイ会長中心に夕食会 奨学金贈呈予定
クアンガイ市の被害者家族

8月18日(火)クアンガイ市中心に支援先へ 
     午前2軒  午後2軒 豚支援(予定)

8月19日(水)8:30出発ミライ虐殺博物館見学へ
     10:00~館長のお話と懇談会 
     11:00~虐殺生存者2名から戦争体験の話を聞く (予定)
     12:00~昼食 館長 カイ会長らと。
     13:30~在宅訪問 2軒

かつて解放戦線の闘士キエムさん(中央)

8月20日(木)ドゥック・ホーなど中心 在宅訪問2軒
     12:30~昼食
     13:30~トゥイチャム病院訪問 看護婦長さんと面会(予定)
     防空壕も見学
     17:00~ホイアンへ 途中チュライ基地見学(予定)(ホアイン泊)
     19:30~夕食

8月21日(金) 

     07:30~朝食 ホテルにて
     09:00~世界遺産ホアイン市見学 日本人墓地参拝
     伝統音楽鑑賞10:00~ 買い物もできます 
     12:30~昼食(名物の中国うどん)
     14:00~バスでダナン市へ 

     16:10~ダナン発 SE8(統一列車)に乗車 夕食(車内)

ミライの虐殺事件の生き残りトゥアンさん

8月22日(土)

     ニンビン着:07:12  バスにてホテルへ
                    ホテルにて朝食と小休止(シャワー)
     10:00~(奨学金贈呈予定 4名)

     12:00~昼食 地元旧婦人兵士らと
       
     13:00~ディン・ティ・テェーさん宅立ち寄り30分
           バスでハノイへ  16:30着(ハノイ泊)

8月23日(日)

     08:15~友好村へ(音楽療法 またはサッカー予定)
     12:00 昼食
     13:00 バクザンへ(音楽療法またはサッカー予定)
     17:30着 ホテル着(ハノイ泊)

世界遺産のホイアン市内の風景
8月24日(月)   08:30~VAVA訪問
     奨学金贈呈式(予定)  夜出発まで自由時間 

     19:00~夕食
     20:30~空港へ
     HAN 00:10(25日)  ⇒VN954

8月25日(火)  ⇒06:50 NRT着 着後解散
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参加費用:18万円5000円という格安です!昨年より安いです。
費用に含まれるもの:①航空券(成田~ハノイ往復) ②ホテル代=但し二人一部屋。 ③全食事 ④ホイアン観光 ⑤現地移動費。 ⑥通訳代。 ⑦現地での謝礼。

費用に含まれないもの:①成田空港までの交通費。②現地滞在中の通信費。③現地滞在中の洗濯代。④体調不調による薬代他医療費。⑤アルコール代及び清涼飲料代。⑥旅行障害保険。⑦マッサージ代や個人行動中のタクシー代など個人的費用。⑧ホテルなど公共物の破損弁済費用。
*当ツアーは少人数旅行を心がけております。最高18名まで。
                      
申し込み及び問い合わせ先:愛のベトナムさわやか支援隊
会長 ①宮尾和宏   055-976-8822
事務局長 ②大釜一男  055-971-0881 Posted by Picasa

2009-03-09

(3)米最高裁 枯れ葉剤被害訴訟 棄却

米裁判所によるエージェント・オレンジ
上告棄却 越 激しく非難
3月4日 08:39am
ハノイ発(ロイター)エージェント・オレンジの被害者による上告を棄却するというアメリカ最高裁判所の決定は、両国関係の発展にとって不幸だった。裁判所は、化学剤の影響をも拒否したことになる、とベトナム外務省は見解を表明した。

3月2日には、アメリカ最高裁は、3月2日に、ベトナム戦争中における枯れ葉剤の使用をめぐって、ベトナム人とアメリカ復員軍人がダウ・ケミカル社やモンサント社、他化学剤メーカーを相手に起こした裁判で、ニューヨーク裁判所の控訴審の棄却判決を支持した。

ベトナムは枯れ葉剤の製造会社を“法的、精神的、道徳的”責任を問うて裁判に訴えてきたたが、ベトナムのレ・ズン外相は、3月4日に、製造会社に対して、化学罪の結果を解決する努力に参加して欲しいと呼び掛けた。
“この決定に寄って、アメリカ最高裁はベトナム戦争中にアメリカ軍によって撒布されたエージェント・オレンジとダイオキシンの環境とベトナム人の健康に与えた深刻な影響を否定したことになる。”

“アメリカ最高裁が、越米関係を積極的に発展させ、アメリカ政府がベトナムにおけるエージェント・オレンジとダイオキシンの使用後の結果を克服するためにベトナムと協力している時に、この根拠無き決定を行ったことは不幸である。”
(上枯れ葉剤被害者:故グエン・ヴァン・クイ氏(右) 長女グエン・ティ・トゥイ・ガー(中央) 長男グエン・クアン・チュン(左))ハイフォン市在住
1984年に、ダウ社、モサント社を含む化学会社7社が、エージェント・オレンジが健康障害を引き起こしたと主張するアメリカ人復員軍人に解決金として1億8000万ドルの支払いで合意した。

アメリカ最高裁が棄却した裁判の一つでは、ベトナム人被害者が、化学剤メーカーは、国際法に違反して枯れ葉剤として使用するためにエージェント・オレンジをアメリカ軍に供給した責任があると主張して、ベトナム人被害者を代表して集団訴訟を起こした。

1960年代には、アメリカ軍機が南部ベトナムに1800万ガロンの枯れ葉剤を撒布した。枯れ葉剤には、それを浴びた人々に健康障害の原因となったダイオキシンが含まれていた。

アメリカは、戦争中の撒布とベトナムで300万人以上がダイオキシンの毒性に冒されたという主張との間に関連性は無いという姿勢を崩していない。
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2009-03-08

(2)米最高裁 枯れ葉剤被害訴訟 棄却

当分の間、いろいろの情報をご提供します。
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3月2日にアメリカ最高裁は、ベトナム戦争中に使用された毒性化学物質のメーカーを相手に訴えたベトナム人とアメリカ・エージェント・オレンジの被害者の訴訟を復活させる嘆願を拒否する決定を発表した。

最高裁は、2月27日に承認された決定に関して、コメントを発表しなかった。この決定は、アメリカ復員軍人とその家族が受けている健康障害の補償をアメリカ化学会社に求める旧軍人の他の二つの嘆願にだけでなく、ベトナム人が提出した告訴の見直しについても拒否した。
ニューヨークの高等裁判所は以前、科学的研究結果やベトナム戦争中に使用されたエージェント・オレンジは、癌や糖尿病や胎児奇形に関連していると証明されている事実があるにもかかわらず、こういう申し立てを棄却している。
毒性化学物を製造した37社の化学企業に対する訴訟で、ベトナム枯れ葉剤被害者協会法律顧問のジョナサン・ムーア弁護士は、この決定を聞いて、悲しい思いであると次のように語った。

「この訴訟には負けたが、われわれの闘争は、ベトナム戦争中に行われたアメリカ政府の化学戦争の犠牲になった全ての人々の正義が実現するまでつづくであろう。

また、ベトナム枯れ葉剤被害救済、責任追及運動の調整官であるマール・ラトナー氏も、次のように語った 。

「一アメリカ国民として、かつての裁判の見直しも棄却されたアメリカ復員軍人だけでなく。ベトナム側300万人のエージェント・オレンジ被害者の正義を最高裁が拒否したことに悲憤を感じる。

しかしながら、ベトナム、エージェント・オレンジ犠牲者・被害者に対する正義と補償を求めるベトナム枯れ葉剤被害者協会の訴訟は、国内的にも国際的にも予想を超えた民衆の支持を得た。アメリカ国民は、犠牲者、被害者の正義と全面補償及び高度汚染地帯の浄化作戦を求めて闘いを継続させていくだろう」(090303)
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2009-03-05

(1)米最高裁 枯れ葉剤被害訴訟 棄却

今月2日 アメリカ連邦最高裁は、ベトナム人が訴えていた、ベトナム戦争中の枯れ葉剤撒布による被害の補償を求める裁判で、訴えを棄却しました。

訴え続けてきた方々には、疲労感が濃いと思いますが、諦めずに更に同盟を組んで正義を訴えていきましょう。

非常に悔しい判決ですが、少しずつ、御報告します。

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3月2日ワシントン発

アメリカ連邦最高裁判所は、3月2日、ベトナム戦争にエージェント・オレンジ使用したとして、ダウ・ケミカル社、モンサント社などメーカーの化学会社を相手に、ベトナム人被害者とアメリカ復員軍人が興した訴訟を棄却した。

コメントもつけずに、裁判官は、原告は、化学剤に曝露したことによる被害という主張を追求できないという、ニューヨークの高等裁判所の判決の見直しも拒否した。

●ベトナム人被害者は、国際法に違反して、化学企業は、1960年代に南ベトナムでの撒布用に、アメリカ軍にエージェント・オレンジを供給した責任があると主張した。
原告らは、ベトナム人を代表して集団訴訟を求めた。高等裁判所は、エージェント・オレンジは、枯葉剤として撒布したのであって、人間を標的とした毒物兵器として使用したのではないと言う連邦判事の判決を支持した。


●アメリカ復員軍人或いはその親戚は、連邦判事と高等裁判所は、化学剤企業は責任を分離できるという政府契約の防御条項を主張できるという判決は間違っていると主張した。

1984年には、ダウ社、モンサント社など7社は、エージェント・オレンジが健康障害を引き起こしたと主張するアメリカ軍人との和解で、1億8000万ドルを支払った。