2010-07-14

米越対話グループ(2)ファクトシート

米越対話グループの2回目は、これまでの動きがわかるファクトシートを掲載します。発行はアスペン研究所です。
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エージェント・オレンジ問題で市民対市民の意見交換をしようというアイデアは、2006年にフォード財団が初めて模索したものだ。ヴェトナム戦争の最後にして問題の多い遺産について、この種のグループは米政府当局、企業の指導者らを含めたアメリカ国内の人々の意識を貯めることができるという考えだった。それは米越両国の著名な民間人、科学者と政策立案者の発意として、2007年2月に正式に成立し、両国政府が対処するのが難しいとわかる問題に取り組んだ。それは、実行機関でも、資金調達の組織でもない。

その役割は、次の5つの基調行動を人道的精神で行う必要性を促進することであった。①ベトナム人障害者のための治療と教育センターを設置すること。②米越両国政府と協力して、ダイオキシン抑制浄化作戦を、3箇所の優先汚染空港から始める。③現代的なダイオキシン試験研究所をヴェトナムに設立する。④被害を受けた自然の回復と管理の訓練士を養成する計画を促進する。そして、⑤これらの問題に関してアメリカ市民を教育する。
枯れ葉剤の使用前・使用後(場所不明)
これらの問題に注意を払い、討議のためのフォーラムとして機能することで、いくつかの活動に力強さと重要性が出てきた。

1)リハビリセンターは、エージェント・オレンジの被害者が彼らの能力を蘇生させ、彼らの家族を支え、教育と訓練を楽しめる良好な条件を作るために作られた。健康管理と職業訓練のパイロット計画は『東西財団』の、「障害者のための支援ネットワーク」計画の中で、タイビン省、ダナン、クアンガイ省で行われている。『ヴェトナムの子供たち』は、ダナン市の地方自治体と恊働して、「治療の希望システム」計画にのっとって作業している。『アメリカヴェトナム帰還兵財団』は、6省のダイオキシン汚染地の障害者と居住者の生活水準向上のための、健康管理、医療行為、職業訓練と社復帰計画を提供している。『障害者のためベトナム援助』は、ビンディン省、コンントゥム省、ダナンで、地域医療の改善に努力している。これらや類似の計画は貴重だが、更なる資金が必要だ。

2)米越両政府間の協力は、最優先汚染3空港でのダイオキシン抑制・浄化努力に関して拡大した。環境改善3段階の最初の2段階は、3汚染空港のうち最大の汚染空港のダナン空軍基地完了している。これらは、土地、食物供給のダイオキシン汚染の測定と、同空軍基地北側のダイオキシン沈殿物の封鎖である。セメンによる被覆は、現在最も汚染された土壌を覆った。フィルタータンクは、隣接した地域から汚染土壌を運んでくる流去水を閉じ込める。そして、空港北側に沿った恒久の壁は、地元住民が汚染地域に入って、池で魚釣りなどを防止する。第三段階は、ダイオキシンの浄化だ。これのためと、他の汚染地での同様の作業のために、さらなる財政援助が必要だ。

ヘリによる枯れ葉剤撒布
3)高解像ダイオキシン研究所のために、資金調達が行わた。対話グループは大西洋慈善財団とビル&メリンダ・ゲイツ財団から支援を引き出し、最高水準のヴェトナム持続的有機汚染物質研究所創設に必要な総額675万ドルのうち、540万ドルの寄贈に、最近同意した。その差額はヴェトナム政府が資金提供した。施設は開発中だ。これはヴェトナムの環境管理努力の基幹となり、土壌、沈殿物と人間の組織におけるダイオキシンと類似した有機汚染物質の正確な評価ができるようになる。それは、現在の被害者のみならずベトナムの将来の世代にも利するののだ。

4)被害を受けた森林の回復と管理の訓練生養成計画は、始まっている。対話グループは、枯れ葉剤撒布によって劣化した土地の回復と再利用方法についての訓練計画を支援した。ハノイ国家大学の資源環境研究センターは、この方法をアンチ省で農民、技術専門家と省当局と見事に導入し、現在これをトゥアティエンフエ省にまで広げている。新しい方法が利用出来るようになると、初期の作業はヴェトナム全国の多くの地域で同様に行われるようになるかもしれない。
旧ダナン基地北部
5)アメリカでは、エージェント・オレンジ/ダイオキシンへの人道的な取り組みが、支持者を増やしている。対話グループは、5つの会合を招集し、ヴェトナムの種々な状況に関する報告書を提出した。米国の対話グループのパートナーは、財源と専門知識を提供できる米国の政策担当者、国会議員、国際組織、企業などの教育に取り組んでいる。

現状:ヴェトナムにおけるエージェント・オレンジの影響について取り組む米越の協力関係は、過去2年間で増加した。その結果部分的には、アメリカ議会は、ベトナムにおける枯れ葉剤関連の作業のために、2007会計年度で300万ドル、そして、再び2009年と2010年の会計年度に300万ドルを承認した。財政的には、フォード財団や他のアメリカの財団、さらに国連機関と他の政府からもから支援が来ている。およそ3000万ドルは、これまでに集まっている。しかし、この問題に対するさらに強い二国間の相互協力とより大きな対応が必要である。
 
ダナン地区での採血作業
対話グループの支持で、ベトナム政府と中立の専門企業のカナダの北ヴァンクーヴァーにあるハットフィールド・コンサルティング社は、ダナン空港周辺の環境と、現在の空港地区の住人の血液、及び母乳における残留ダイオキシンに関して、独自に一連の評価を実施した。その結果は、ダナンにおける問題点を分かりやすく指摘した。そこで、生物機能による環境回復(バイオレメディエーション)努力の実現の可能性がテストされている。2009年の調査結果は、2007年の暫定緩和処置がその地域の人々のダイオキシン曝露の減少に成功したことを示した。

対話グループのごく直近の会議は、2009年6月にワシントンDCで行われた。対話グループメンバーはアメリカ下院のアジア問題外交小委員会で証言し、上院外交委員会とも会合を開いた。

次の段階:対話グループは、ヴェトナムにおけるAO/Dの残りの問題に対処する方法を特定した行動宣言と計画を承認した。それは、将来の行動と協力の指標を示し、現在まで進展を続けてきた民間ー役所との協力を強化することを示したものだ。(つづく)Posted by Picasa

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