今年は、何回も書くが、枯れ葉剤のベトナムでの初使用から50年という節目の年だ。半世紀である。この50年間、ベトナムのみならず、多くの人が苦しみのうちに鬼籍に入られ、また多くの次の世代が生まれてきた。被害者をもった家族は、地獄の50年であったと言える。この50年間、社会的に何が進歩したのか、何が改善されたのか? ベトナム社会も含めて、国際社会がどんな夢を被害者にあたえたのか? 社会的無視が平然と行われてきた。政治的無視も行われてきたのは、原爆の惨禍、公害や薬害禍と何ら変わることはない。
今年の8月10日前後に、ハノイで第2回枯れ葉剤被害国際会議が開かれた。招待を受けたにもかかわらず、支援の準備のために参加できなかったのは、小生にとって痛恨の極みであった。しかし、支援ツアーが疎かになっては、一層の禍根を残すことになり、あえて我慢した。日本人も数人この会議に参加したようである。愛のベトナム支援隊が2名出席をキャンセルしたことで、2名の日本人も出られることになった。ならば、色々と情報を発信をしてほしいのだ。 参加したことに意義があるのではない。参加して行動することに意義があるのである。情報を閉じるな・・しまいこむな!と言いたい。ハノイでの第2回国際会議に出たあなた・・・あなた方・・・おじさま、おばさま! なぜ情報を開示しないのですか。仲間に伝えないのですか? 出席したことが、何かの勲章になると思っているのですか?
今年の会議は、実は、第4世代の被害者出現という衝撃的なものとなった。時間の問題と、私は講演会などあちこちで言ってきたが、予想よりも早かった。私たちのツアーも、きちっと、目の前で報告を受けたが、それは、いずれツアー報告の中で必ず触れておきたい。
そういう新たな事実を踏まえて、ツアー報告第2回は、国際会議のアピールを翻訳した。これを伝えているのは、日本共産党の『赤旗』くらいだ。そんな事でいいのだろうか? ベトナム枯れ葉剤被害者協会が届けてくれたアピール全文を掲載した。
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下の写真は、今年の8月22日にクアンガイ省クアンガイ市内で撮った写真です。店を持っていても、寝たきりの子をもっていては、母親は、心の休まる時がない・・・のです。第2回枯れ葉剤被害者国際会議 アピール
Hanoi, Socialist Republic of Vietnam, 9th August, 2011
2011年8月8日から9日までハノイで開かれた第二回エージェント・オレンジの被害者国際会議は、エージェント・オレンジの被害者はもちろん、他の有毒化学物質の被害者や科学者、弁護士、社会活動家を含めて世界中から参加者が参集した。 会議は、ベトナムとインドシナ駐留のアメリカ軍に有毒化学物質エージェント・オレンジに最初の撒布から50周年を画する(1961-1971)非常に重要で且つ歴史的行事となった。
1961年から1971年までのベトナム戦争中に、アメリカ軍は、ランチハンド作戦を通して、ほぼ8000万リットルの除草剤を南ベトナムに撒布した。そのうちの61%が、科学の分野で最も有害の物質であるダイオキシンを少なくとも366kgを含むエージェント・オレンジであった。
2006年に開かれたエージェント・オレンジ被害者第一回国際会議以来、人体と環境へのエージェント・オレンジ/ダイオキシンの危険性について、より多くの人々が理解し認識を示してきた。 より多くの病気は、エージェント・オレンジへの曝露によるものと公式に認められた疾病も増えた。ベトナム人と共に、世界中の多くの人々が、この有毒大量破壊兵器の犠牲者になった。米国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、の兵士も、ベトナムでの戦闘中に曝露した。現在では、彼らの第二世代、第三世代の子供たちもまた苦しんでいる。アメリカ、カナダ、韓国、プエルトリコ、オーストラリア、ニュージーランドなどの地域の人々も曝露した。それは、それらの人々が、アメリカ軍が貯蔵し、埋め、製造し、試験をし、あるいはベトナム戦争一部としてエージェント・オレンジを実験した場所の近くで住んでいたか、労働をしたからである。
被害者の内分泌、免疫、生殖系へのダイオキシン関連の障害のため、エージェント・オレンジの被害者は複数の健康障害に苦しむ。その一部は即効性の致死症であり、またその他は、人々を惨めなの生活へとおいやってく疾病である。これらの疾病により、多くの人々は最も基本的な人権―特に生きる権利―と、幸福の追求を否定されてきた。労働ができないことと、治療の費用を負担しなければならない故に、エージェント・オレンジの被害者のほとんどが、至る所で貧困に喘いでいる。
しかしながら、エージェント・オレンジが意図してベトナム人に向けられたが故に、彼らは最も面倒な状況にさらされている。 長期間にわたり繰り返し直接撒布された480万のベトナム人は、複数の源から曝露した。特にダイオキシンに影響されやすい 高齢者、女性、子供の割合は、特にベトナムにおいて特に高い。ベトナムでは、エージェント・オレンジ剤関連の先天性欠損症をもった膨大な数の子供たち生まれ続けている。 現在、第4世代のエージェント・オレンジの被害者が生まれつつある。この危険性のために、実際、多くの女性が子供を産むための人権を否定されてきた。
エージェント・オレンジは、戦争中に人間を傷つけ、環境を損なっただけではなく、戦後も引き続きその荒廃を継続しているのだ。土壌に投棄されたダイオキシンは、環境に打撃を与え続け、数カ所の重度汚染地域とその周辺では、人々をも病気に追いやり続けている。戦争中、特に沿岸地域では、ほぼ300万ヘクタールの面積の森林をなくしており、エージェント・オレンジは、ベトナム、ラオス。カンボジアのみならず、地域の環境にも害を与えてきた。エージェント・オレンジは、世界のあちこちの人々に深刻な結果を与え続けている。
ベトナムにおける戦争でのエージェント・オレンジの使用は、戦争犯罪であり人類に対する犯罪である。 その結果は、世代から世代へと引き継がれていく。我々は、こんにち、いずこにおいても、これを限りに、化学兵器といかなる大量破壊兵器の使用中止を実現するように試されている。
化学戦争の影響、化学製品製造工場の事故の脅威、迫る生体医用工学 による環境災害への人類の危惧は増している。エージェント・オレンジに曝露した人々の苦しみは、この意識の中心にあるものであり、正義を求めるエージェント・オレンジ被害者の闘争との国際的な連帯は拡大している。
Hanoi, Socialist Republic of Vietnam, 9th August, 2011
2011年8月8日から9日までハノイで開かれた第二回エージェント・オレンジの被害者国際会議は、エージェント・オレンジの被害者はもちろん、他の有毒化学物質の被害者や科学者、弁護士、社会活動家を含めて世界中から参加者が参集した。 会議は、ベトナムとインドシナ駐留のアメリカ軍に有毒化学物質エージェント・オレンジに最初の撒布から50周年を画する(1961-1971)非常に重要で且つ歴史的行事となった。
会議の代表団は、以下の点で同意した。
1961年から1971年までのベトナム戦争中に、アメリカ軍は、ランチハンド作戦を通して、ほぼ8000万リットルの除草剤を南ベトナムに撒布した。そのうちの61%が、科学の分野で最も有害の物質であるダイオキシンを少なくとも366kgを含むエージェント・オレンジであった。
2006年に開かれたエージェント・オレンジ被害者第一回国際会議以来、人体と環境へのエージェント・オレンジ/ダイオキシンの危険性について、より多くの人々が理解し認識を示してきた。 より多くの病気は、エージェント・オレンジへの曝露によるものと公式に認められた疾病も増えた。ベトナム人と共に、世界中の多くの人々が、この有毒大量破壊兵器の犠牲者になった。米国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、の兵士も、ベトナムでの戦闘中に曝露した。現在では、彼らの第二世代、第三世代の子供たちもまた苦しんでいる。アメリカ、カナダ、韓国、プエルトリコ、オーストラリア、ニュージーランドなどの地域の人々も曝露した。それは、それらの人々が、アメリカ軍が貯蔵し、埋め、製造し、試験をし、あるいはベトナム戦争一部としてエージェント・オレンジを実験した場所の近くで住んでいたか、労働をしたからである。
被害者の内分泌、免疫、生殖系へのダイオキシン関連の障害のため、エージェント・オレンジの被害者は複数の健康障害に苦しむ。その一部は即効性の致死症であり、またその他は、人々を惨めなの生活へとおいやってく疾病である。これらの疾病により、多くの人々は最も基本的な人権―特に生きる権利―と、幸福の追求を否定されてきた。労働ができないことと、治療の費用を負担しなければならない故に、エージェント・オレンジの被害者のほとんどが、至る所で貧困に喘いでいる。
しかしながら、エージェント・オレンジが意図してベトナム人に向けられたが故に、彼らは最も面倒な状況にさらされている。 長期間にわたり繰り返し直接撒布された480万のベトナム人は、複数の源から曝露した。特にダイオキシンに影響されやすい 高齢者、女性、子供の割合は、特にベトナムにおいて特に高い。ベトナムでは、エージェント・オレンジ剤関連の先天性欠損症をもった膨大な数の子供たち生まれ続けている。 現在、第4世代のエージェント・オレンジの被害者が生まれつつある。この危険性のために、実際、多くの女性が子供を産むための人権を否定されてきた。
エージェント・オレンジは、戦争中に人間を傷つけ、環境を損なっただけではなく、戦後も引き続きその荒廃を継続しているのだ。土壌に投棄されたダイオキシンは、環境に打撃を与え続け、数カ所の重度汚染地域とその周辺では、人々をも病気に追いやり続けている。戦争中、特に沿岸地域では、ほぼ300万ヘクタールの面積の森林をなくしており、エージェント・オレンジは、ベトナム、ラオス。カンボジアのみならず、地域の環境にも害を与えてきた。エージェント・オレンジは、世界のあちこちの人々に深刻な結果を与え続けている。
ベトナムにおける戦争でのエージェント・オレンジの使用は、戦争犯罪であり人類に対する犯罪である。 その結果は、世代から世代へと引き継がれていく。我々は、こんにち、いずこにおいても、これを限りに、化学兵器といかなる大量破壊兵器の使用中止を実現するように試されている。
化学戦争の影響、化学製品製造工場の事故の脅威、迫る生体医用工学 による環境災害への人類の危惧は増している。エージェント・オレンジに曝露した人々の苦しみは、この意識の中心にあるものであり、正義を求めるエージェント・オレンジ被害者の闘争との国際的な連帯は拡大している。
行動への呼びかけ
それ故に、会議へ参加者は、ここに次のことを呼びかける。1) 連帯
エージェント・オレンジの全被害者、たとえ彼らの国籍や曝露状況がどうであれ、我々の共通の利益に向かって行動するために、より密接により熱心に団結しなければならない。さらには、原爆や劣化ウラン弾のような他の大量破壊兵器の犠牲者との連帯を示すために、全被害者と支援者は団結して作業し、行動を調整しなければならない。団結して、初めて正義達成のために、我々は効果的な力が発揮できるし、成功することができる。
2) 組織化
我々は、社会的な地位、政治的な地位がなんであれ、全人類、全政府、組織、個々人に対し、ベトナムの被害者を特に強調して、エージェント・オレンジの全被害者を支持するために、緊急な行動を起こすことを求める。あらゆる国、あらゆる地域で、我々は、どんな形であれ、具体的な資源を動員できる特別計画と、起動させる組織を立ち上げ、正義を求めるベトナムのエージェント・オレンジの被害者の闘争を支援して、すべてのフォーラムで我々の声が聞かれるようにするための特別計画を開発すべきだ。
3)研究と改善
研究と改善特にアメリカの科学者、公衆衛生と環境専門家は、エージェント・オレンジ/ダイオキシンの特定の健康及び環境的危険性と改善の種々の可能性を研究することに集中すべきである。時間が尽きつつある被害者を助けるためにも、そして、将来の世代の類似した災禍を避けるためも、これは非常に喫緊の作業だ。
4)兵器と戦争犯罪の国連による禁止
国際社会一般、特に国連と各国政府は、戦争犯罪と人類に対する犯罪を禁止している国際法に違反するすべての行為をより効果的に防ぐ新たな対策を早急に普及しなければならない。
5)アメリカ政府と化学メーカーは責任を認めよ
アメリカ政府とエージェント・オレンジの化学品メーカー、特にモンサントとダウ・ケミカルは責任を受け入れ、現存する汚染地域の浄化と、ベトナムにおけるエージェント・オレンジの被害者とその家族に総合的且つ意味のある援助を、より実際的で効果的な方法で与えるために、ベトナム国民と政府を共同歩調をとるため、大きくてより完全な努力をすべきである。アメリカ議会によって割り当てられる金額は、ほとんど被害者に届かないために、被害者のために設けられた基金は、VAVA(枯れ葉剤被害者全国組織)のようなベトナムのNGO団体に送られるべきである。そうすれば、資金は、最も援助を必要としている被害者に送られるのである。病院、クリニックた、被害者とその両親・家族のための一時的保養ホームは、圧倒的に必要とされている。 – 犠牲者の多くは24時間の世話を必要としており、面倒をみる年老いた両親も、援助を必要としているからだ。
6)エージェント・オレンジの場所を開示せよ
ベトナム戦争期間中に、いかなる目的でも、エージェント・オレンジの使用を認めた米国政府及びすべての政府は、 エージェント・オレンジを使用、埋蔵、投棄したすべての場所を公に開示すべきだ。
今日(こんにち)、ベトナムにおけるエージェント・オレンジの初使用から50年。 国際会議の代表団は、再び宣言する。被害者の必要としているものは緊急を要する。そして、即時の行動を必要としている! 半世紀は、正義を待つにはあまりにも長すぎる!
我々はともに作業することを誓い、正義は遅れているが、正義が否定されているわけではないことを確認する!
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以上が、第2回国際会議のアピールです。
北村 元 愛のベトナム支援隊
Love & Support Vietnam
<本ブログの無断転載・複製を固く禁じます>
7)VAVAとの協力
ベトナム枯れ葉剤被害者協会は、ベトナムのエージェント・オレンジの被害者を法的、精神的に代表し、ベトナム全国の被害者の利益を代表する非政府組織として行動している。 被害者の声を聞き、ベトナム人被害者を効果的に、特別に支援するために、善意と慈悲の心をもつ人々は、VAVAと共同歩調をとり、支援を計画的に物質的に援助すべきだ。VAVAとの連絡は、ウェブサイトを通じて行うことができる。www.vava.org.vn
今日(こんにち)、ベトナムにおけるエージェント・オレンジの初使用から50年。 国際会議の代表団は、再び宣言する。被害者の必要としているものは緊急を要する。そして、即時の行動を必要としている! 半世紀は、正義を待つにはあまりにも長すぎる!
我々はともに作業することを誓い、正義は遅れているが、正義が否定されているわけではないことを確認する!
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以上が、第2回国際会議のアピールです。
北村 元 愛のベトナム支援隊
Love & Support Vietnam
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