2007-04-17

アイザックソンさんの記事から

ベトナムの枯れ葉剤被害者協会、ニャン副会長から、最近ベトナムを訪問したアイザックソンさんの記事が送られてきた。

書き出しが面白いので、書き出しだけご紹介しておこう。

「後始末をしなさい。私たちが若い時に学んだルールである。いま、アメリカがベトナムから撤退して30年以上が経過した。このルールを実行する時が来たのだ。

ベトナムでは、他の多くの所と違って、最近、国民も指導者も一般的にアメリカに対して友好的である。ベトナムは、WTOに加盟した。アメリカは、最大の輸出市場であり、外国投資源でもある。インテルは、ホーチミン市近郊で年間10億ドルのチップ生産工場を建設中だ。」

以上が、アイザックソンさんの記事(3月1日に上梓)の冒頭である。
その通りである。戦争の後始末をするべきである。
30年以上経ったからではなく、汚したものはきれいにすべきだ。
ましてや、人の命をたわめる物質が残っているなら、世界の先進国として当然考えるべきである。そして、その物質が、次の世代、その次の世代に影響を及ぼしているなら、一層不可欠の後始末である。

今朝(5月16日)起きたバージニア工科大学の史上最悪の銃乱射事件をみても、戦争を起こしてきたアメリカが、社会のどこかに病人を生んできたこととむえんではないだろう。人の命を、銃で消し去ることは、最悪のダイオキシンを撒いたまま救いの手を伸ばさないのと変わりはないのである。ダイオキシンが、銃に代わっただけだ。

アイザックソン氏は、記事の中程で、こう書いている。
「実用的で思慮分別のある解決は可能である。アメリカは、即時、汚染地域の封鎖と洗浄に援助すべきだ。結局、われわれは、めちゃめちゃにしたのだ。帰任するマイケル・マリン大使(註:駐ハノイ米大使)が、このプロセスを始めるために、ほんの少しワシントンから援助を勝ち取ることが出来た。それは、フォード財団が財政的に追加したものだが」

焦眉の急は、汚染された土壌の洗浄と、被害者救済の援助だ。枯れ葉剤との因果関係の追求は、これが伴っていなければ意味がない。

出来れば、次の記事で、アイザックソン氏も触れているクリストファー・ヒッチェンス氏の記事の翻訳を載せてみたい。(記事:北村 元 在シドニー)

英文記事をお読みになりたい方は、下記にアクセスを。
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1595236,00.html

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