2010-10-02

支援の旅(32)海苔巻き講習クアンガイ1

海苔巻き講習会が始まりました。「食作りは笑顔作り」・・そんな印象を受けましたね。いまや、シドニーでは、海苔巻きはすっかり定着し、韓国人までが、日本食屋さんを始める時代です。自宅での食事だけでなく、お弁当にもふさわしい海苔巻き。海苔巻きの歴史は余り古くないようですが、おにぎりとともに、行楽の友になり、また職場での食事に重宝されています。
海苔巻き講習会は、当ツアー初の試みです。食材・巻きす・手袋など一切を、奥井さんがハノイで提供して下さいました。ほんとうにありがとうございました。写真をご覧になりながら、小生がシドニーの地元紙『ジェンタ』に書いたコラムを読み頂ければ幸いです。
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海苔巻きキャラバン(ジェンタ紙2010年10月01日号)
 ベトナム戦争中の枯れ葉剤の被害者は、ベトナムだけでも現在300万人はいると推定されている。ベトナム枯れ葉剤被害者支援ツアーを始めて15年。今年、海苔巻き講習会を初めて実施した。シドニーのボンダイ・ジャンクションで Waレストラン を経営する奥井悟さんの提案で、ベトナム中部のクアンガイ省と北部デルタ地帯のニンビン省の2箇所で試行錯誤でやってみた。
 Waレストラン で働いたことのある豪州在住の若い2女性がぜひにと参加して、豆絞りまでして講師役を努めてくれたおかげで、思った以上の反響があった。   準備するキエット君
クアンガイ省では、私たちの奨学金を贈呈した生徒・学生とその親、及び枯れ葉剤被害者協会の役員、ニンビン省では、ベトナム戦争中に戦場で主として工兵として活躍した元女性兵士を招待した。特に、枯れ葉剤被害者協会の役員や元女性兵士は戦場ではみな、米不足の戦争をまともに生き抜いてきた人たちだった。

 そのせいか、具を詰めすぎて、どうやっても口に収まらない大口径の海苔巻きを作った人・・・などなど人間模様が感じられた。寿司キャラバンは、参加者を大きな喜びに包んだ。出来上がったものをその場で食べれば話は一層弾む。自作の海苔巻きを家族に持って帰る人も。
  作品の海苔巻きを片手で持ち上げ、全員で記念写真に収まる時に、幸せそうな笑顔がこぼれた。そして、日本食親善大使に任ずるという講習会参加終了証も大人気だった。「名前が違ってもいいから下さい」・・欠席者の修了証までねだられた。
巻きすを前にして・・・
 1989年11月のベルリンの壁崩壊時には、ただ独り崩れた壁の前で、涙を流しながら「バッハ無伴奏」「スラブ」を弾いた世界最高のチェロ奏者、ロストロポーヴィチ。この巨匠が、「音楽家であることの喜び」を感じたのが「キャラバン」だった。「クラッシックのコンサートは都会ばかりで開かれる。遠くて来られない人々の為に私の方から出掛けて行こう」と。無料コンサートを、彼は祖国ロシアを初め、各国で開催した。 ファンや都会人がつめかけないようにと、会場となる地元にしか告知をしないコンサートにした。

 偉大なる放浪音楽家のロストロポーヴィッチは大の親日家で、小澤征爾さんと共に「コンサート・キャラバン」を開催し、日本全国の廃校や寺でライブをした仲だった。
地元の赤十字の方も参加
 このロストロポービッチの偉大なる精神に少しでも近づきたかった。食と音楽も文化。枯れ葉剤被害者に物質的支援をすることはもちろん大事なことだが、逆境に負けない力を出せる精神的支援、何があっても、「だけど自分は絶対負けない」という一種の原点を出前精神で作ってあげるおせっかい哲学的支援も必要だ、とつくづく思った。(コラムは終わり)

さあ、巻きすにご飯を乗せますよ・・
Posted by Picasa
手前右からカイ会長、名古医師 富田さん・・・↑ 
なんと、なんと、このホテルのシェフも飛び入り・・・そういえば、ここの海苔巻いま三くらいでしたね(すいませんっ! 無料で会議室借りておいて)↑
全員 巻きすの上に海苔をのせましたっ↑
ちゃんと作れば美味しいはずなんですが・・・↑
創作活動がはじまりました!!!! ↑
キエット君が順調に進んでいます。↑(つづく)

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