2010-09-11

支援の旅(09)ダナン市

奨学金贈呈が終わったところで、私たちへの花束と記念品贈呈が行われた。
本来頂く必要のないもので、私たちは式典に費用をかけることを望んでいないことを明確に伝えてあるが、やむを得ず先方のお気持ちを頂戴することにした。
宮尾会長に花束、ツアー参加者全員に盾が贈られた。
正直言って、申し訳ない気持ちだ。かつて、もっと華美な贈呈式があってまゆを潜めたことがあり、頂いた品物を返却したことがあった。そんな費用があるなら、被害者に回すべきだ・・・と、参加者の皆が憤った。返却するのも誤解がないようにしなくてはならず難しい場合がある。今回は、熱意あるヒエン会長のお気持ちを汲むことにした。
これが、頂戴した盾↓である。《Duc》と中央に書かれている。漢字に当てはめると、人徳の「徳」である。改めて、我が身をふり帰らざるを得ない「文字」であった。
そして、学校からはお礼の歌をと、女子児童↓が1曲歌ってくれて、贈呈式は終わった。学校側の温かいご配慮は、とても嬉しかった。
しかし、このダナン市では、私には大きなる反省がある。大きな悔恨として今も、とても苦い思いをしている。それは、予定していた奨学生との懇談会が実現できなかったことだ。

最初は、贈呈式の直後に、奨学生との懇談会を枯れ葉剤被害者協会に提案したのだが、それでは、小学生が眼科検診が待てないとの学校側の希望で譲歩し、眼科検診の後に必ず懇談会を開くという条件で同意した。蓋を明けてみると眼科検診が思いのほか長引き、気温もあがり、奨学生をこれ以上待たせるわけにはいかないと私は判断し、ご帰宅を願ったのだ。ベトナムとの長い付き合いのなかで、この失敗は見えていた。

通訳を二人用意すれば眼科検診と同時進行できるという問題ではない。奨学生との懇談会には、参加者全員が参加すべきだからだ。
それが唯一ダナンでできなかったのは、返す返すも残念なことだった。特に1番目に贈呈したトアン君は、自力歩行ができない生徒さんだ。彼のお母さんから、通学のご苦労などの話を直に聞きたかったのである。

私の完全な失敗で、今でも忸怩たる思いをしている。二度とこういう予定を組んではいけない・・・貴重な教訓だった。奨学金の贈呈は、贈呈だけでは意味は少ない。そこから、どういう「絆」を作るかが求められていると思う。奨学金を出して下さった《あいあい眼科クリニック》の名古先生を初めスタッフの皆さんに、人柄などの情報をお伝えできないのは、申し訳ないことだ・・と思っています。交渉の難しさを改めて痛感しました。Posted by Picasa

0 件のコメント: