2009-10-21

支援隊ツアー09(64) 枯れ葉剤被害者協会2

トゥ会長との会談は、思わぬ方向に向かいました。
北村修治さんは、清水合同労働組合の機関紙「助けられたり助けたり」(156号)に、こう書いています。見出しは「横取りなんてされません」
『8/16→25 また枯れ葉剤被害者をたずねます。30年前ベトナム戦争に使われた枯れ葉剤のダイオキシンによって、今も300万人のベトナム人が苦しみ、孫の世代にまで奇形の子が生まれています。
三島市の支援グループに同行させていただき、今年も被害者の家庭をたずねることになりました。
それで、政府がお金を配ったことだし、そのうちの10%20%あるいは全額でもベトナムに送ってあげてください。
よくお金が横取りされて困った人に渡らない、という話を聞きますが、この三島の人たちに限って、そんことは100%ありません』
バクザン省で車椅子を押す修治さん
その北村修治さんが、「お願いがあります。じつは、ここにいる金原理絵子さんという若い人が、初めてベトナムにきて、なかなかすばらしい意見を私達に聞かせてくれました。ちょっと聞いてくださいませんか」と、トゥ副会長にお願いしました。
トゥン副会長は、「ぜひ聞かせてください」と、言いました。
理絵子さんの発表の機会が急遽実現しました。

理絵子さんが、立ち上がりました。緊張しているのが分かります。 落ち着いて!!!

エッセーを読み上げる理絵子さん

「私は、ベトナムへ来て、普通ではなかなか体験できない貴重な経験をさせてもらいました。

私が一番心に残っているのは、12歳で体重が4キロという女の子とそのお母さんのことです。途中で泣きそうになるのを何度もこらえて話をつづけてくれるお母さんの姿をみて、何ともいえない感情が湧き上がりました。その姿に私も泣きそうになってしまいました。でも、ここで泣くことはお母さんや周りの方にあまりにも失礼だと思い、必死でこらえていたのですが、最後に、お別れの挨拶で抱きしめられた時、お母さんがすごく暖かくて、強くて、少し涙がでてしまいました。

横たわるトゥイーちゃんと母のビックさん(右)

私は、この活動で、枯れ葉剤の被害を受けた方達の辛さと、その人たちを支える周りの人達の辛さを知ることが出来ました。被害者本人はもとより、支える方達の苦労はさらに大きく重いものかもしれないとも思いました。

すごく嬉しかったことがあります。友好村で、ハンディキャップを持った子供達とふれ合った時のことです。はじめは、私達が準備していた「バルーン遊び」を楽しんでくれるかどうかとても不安でしたが、子供達はすぐに打ち解けてくれて、ささやかな遊びのプレゼントを心から楽しんでくれました。とても幸せそうに、明るい声をあげてよろこんでくれて、私のほうが幸せにしてもらいました。本当にうれしかったです。

ベトナムに来られた事に心から感謝しています。ありがとうございました。 

静岡県三島市 金原理絵子

トゥ会長は、立ち上がって、理絵子さんと握手をしました。

「感動しました。涙がでそうです。多くの人に聞いてもらいたいエッセーです」と、最大の評価を頂戴しました。同席したイー部長、ダム部長も、今にも涙を流しそうにして、拍手を送っていました。

まさに、同苦をする・・・とは、困った人の立場にたって、その痛みを分かち合うことです。相手の痛みをわが痛みとして受け止めることです。私達に何ができるのかを、考えることです。会談の大団円は、荘厳な理絵子さんのエッセーでした。Posted by Picasa

0 件のコメント: