2009-07-15

良心の裁判(11)

今回と次回は、パリで開かれた良心の法廷のまとめをご紹介しましょう。
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EXECUTIVE SUMMARY OF THE DECISION判決のまとめ
Paris, May 18, 2009

エージェント・オレンジのベトナム人被害者を支援する国際人による良心の裁判は、1961年から1971年にかけてアメリカ軍がヴェトナムで撒いた枯れ葉剤の影響被害の証言を聞くために、2009年5月15~16日の2日間パリで開かれた。裁判への召換と原告申し立ては、アメリカ合衆国政府とオレンジ剤を製造した化学企業に送られた。通知したが、政府と企業からは回答はなかった。

裁判は、民主弁護士国際協会によって構成された。裁判の判事の出身国は世界を構成している。インドのジテンドラ・シャーマ氏、チリのフアン・グーズマン判事、アメリカのクローディア・モーコム判事、アメリカのマージョリー・コーン教授、ルーマニアのガヴィル・チウズバイアン博士、アルジェリアのアッダ・ベッカルーチ教授、そして、日本のAttorney Shoji Umeda。(註:漢字名が分からないので、そのままにしました)
裁判では、被害者と専門家を含めて27人が証拠と証言を提出した。被害者の証言は非常に人の心を動かす物であり、専門家の証言は、これらの被害者がダイオキシンに曝露されて苦しむ障害に絞り込んだ。証言も撒布の範囲、曝露された数百万の人、破壊されたジャングルや森、そして、崩壊した家庭などに及んだ。
アメリカ軍の北爆

証拠を検証した後に、裁判はアメリカ合衆国政府と化学剤製造企業はダイオキシン(人類の知られている最も危険な化学剤の1つ)がエージェント・オレンジの構成要素の1つとして存在していたという事実を認識していたと判断した。それでも、彼らは撒布を続け、事実、1965年にダイオキシンによってダイオキシンが実験動物に多くの先天性欠損症を引き起こしたということを示した調査を意図的に外部に出ないように抑えた。 それは、その研究結果が危惧する市民からすっぱ抜かれて、初めてエージェント・オレンジの使用が止められたのだ。

この裁判が検討したこと(1)

1)法廷に提出された証拠により、ヴェトナムに対してアメリカ合衆国が行った1961年から1971年までの戦争の期間に、アメリカ合衆国軍が軍事目的で木を枯らせるために大量のダイオキシンを含んだ化学剤を撒布したと確認した;

2)撒布された化学剤は、ベトナムの人々、土地、水、森林、生態系、経済に障害を起こした。法廷は、それらを分類した。

a.人間への直接損害: ダイオキシンにさらされた人々に直接もたらされる疾病には、神経障害の他に、ガン、皮膚疾患、肝障害、肺と心臓疾患、生殖能力障害などがある。

b。ダイオキシンに曝露した人たちの子弟への間接的障害:重度の身体的奇形、精神と身体の障害、種々の疾病と短命。

c。土地と森、給水とコミュニティにもたらされた損害:南部ヴェトナムのかなりの部分における森林とジャングルは荒廃して、木がなくなる裸地化現象をみせている。そして、再生不能か、再生するにしても50~200年がかかるかもしれない。森やジャングルに棲息していた動物で絶滅したものがあり、動物に依存した社会を分裂させた。一部地域の河川と地下水もまた汚染された。ダイオキシンは、長年環境に生き続けるだろう。そして、

d. 浸食と砂漠化は、必然的に環境を変え、地球温暖化と穀物と動物の生態系の崩壊に寄与することになろう。

サイゴン南部の米軍のナパーム攻撃

この裁判が検討したこと(2)
1)ヴェトナムにおける戦争は、国家解放を求めている国に対する違法な侵略戦争だった:その違法性は、紛争を平和裏に解決することを加盟国に求める国連憲章第2条(3)と、第2条(4)に基づく。ヴェトナムの南部でのエージェント・オレンジ/ダイオキシンの広範囲の撒布とヴェトナムの北部における大爆撃は、アメリカ合衆国が国際関係で力の行使を控えるという国連憲章命令に違反したことを明白に証明する。

2)ニュルンベルク綱領は、侵略戦争を、国際法のもとで罰すべき平和に対する犯罪行為と定義している;

3)ダイオキシンの使用は戦争犯罪である。その理由は、ダイオキシンは、国際慣習法と、1907年のハーグ協定[ハーグ協定第23条(a)項]でともに違法とされる毒物兵器だからである。戦争の法規慣例違反は、ニュルンベルク綱領VI(b)の下では戦争犯罪と考えられる。化学企業は、ダイオキシン入りの化学剤がどのようにヴェトナムで使われるかを知っていた;それでも、彼らはアメリカ政府にこれらのエージェントをダイオキシンの非常に高いレベルを製造して、供給し続けた。有毒兵器を提供することにより、会社は米国政府が犯した戦争犯罪の共犯となった。

枯れ葉剤撒布

4)ダイオキシンの使用が、人道に反する罪であったニュルンベルク綱領のVI cによって定義されるように、それが平和と戦争犯罪に対する犯罪と関連して民間集団に対してされる非人間的な行為を構成した;

5)違法な戦争の違法な武器の使用が上述の荒廃を引き起こしたために、これらの犯罪は、少なくとも300万~400万人と彼らの家族に痛み、苦しみと苦悶をもたらした。これらの犯罪の影響は、今後数世代にわたって被るであろう。そして

アメリカ兵捕虜を手当てする北ベトナム女性
6)エージェント・オレンジの被害者とその家族に対して十分な治療を提供して、ヴェトナムの環境をできる限り修復する時期がきたと判断した。(つづく)Posted by Picasa

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